最近、物価上昇、インフレといった話題が多くなり、注目が集まっている指標に国内企業物価指数があります。このところ11か月連続で前年同月比プラス、しかも昨年11月からは4か月連続で8~9%の高い伸びが続いており、40年ぶりともいわれます。
この国内企業物価指数とは、企業間で取引されるモノの価格の動きを示す指標です。毎月、日本銀行が公表し、景気動向や金融政策の判断材料となっています。
この指数で調査の対象となるのは746品目に及びます。具体的には鉄鋼、石油など製品を作るための原材料や、工業機器、工業製品、農林水産物、木材・紙製品、工業機器などです。このため、為替や原油、輸入小麦などの原材料の価格変動が直接影響し、大幅に変動することがあります。
2022年1月の国内企業物価指数(2015年=100)をみると、前年同月比8.6%の上昇となり、全体の2/3にあたる492品目が上昇しました。なかでも、木材・木製品(+58.5%)や石油・石炭製品(+34.3%)、鉄鋼(+25.1%)、非鉄鋼(+26.5%)などが大幅に上昇しました。
これらの価格上昇が、小売価格に反映され消費者物価に影響を与えるまでには時間がかかることから、消費者物価指数(注)の先行指標となっています。
(注)消費者物価指数についての解説はこちら(経済用語解説「消費者物価指数」)
こうした企業物価の高騰が続き、食料品や日用品への値上げの動きが広がると、家計に影響を及ぼすものとみられます。