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長崎経済研究所

「大きな一歩につながる小さな一歩を」
〜 第2回医療・福祉機器等ものづくり検討会レポート 〜

 2023年5月25日、ホテルニュー長崎(長崎市大黒町)において開催された「第2回医療・福祉機器等ものづくり検討会」(長崎都市経営戦略推進会議主催)の模様をレポートします。

 冒頭、長崎都市経営戦略推進会議の小川議長による開会挨拶、続いて参加企業や大学・支援機関による事業紹介が行われたのち、今回は長崎総合科学大学工学部の川添薫教授による「医療機器の開発と企業の関わり」と題した講演がありました。

検討会の様子(筆者撮影)

 川添教授は医学博士であると同時に、臨床工学技士や超音波検査士など多くのライセンスを持ち、大学における教育・研究はもちろん、医療工学のものづくりとその生産・販売に積極的に取り組まれており、内視鏡スコープ洗浄に用いる「球状繊維ブラシ」などの製品化も実現されています。講演は川添教授の長年の経験に基づく内容で構成され、特に「長崎には製造する会社がなく、名古屋や大阪の企業と手を組んだ経験がある」「これからはぜひ長崎の企業で製造し、そして新しい製品を送り出したい」という言葉が深く印象に残りました。

【球状繊維ブラシ】内視鏡に付着した粘液や血液などの感染性汚染物を効率的に短時間で取り除くことが可能。さらに、汚染物質が薬液の水流により球状ブラシより先に吸引させることでブラシが通過した後方には汚染物が残らない。(講演資料より抜粋)

 これまで長崎県内では、医療系製品の研究開発を行う大学等の研究機関と実際に製品を製造し、そして流通・販売を担う企業との結び付きが弱かったのかも知れません。本検討会は未だ開催2回目の若い会合でありますが、今回新たに10企業・団体が参加するなど着実に有志の和は広がっています。

 小川議長からは「この会が大きな一歩につながる小さな一歩を」という意気込みの挨拶もありました。この検討会が、研究機関と産業界を効果的に結ぶ長崎におけるハブ的存在となる、そのような息吹を感じることができる会合となりました。

 医療・福祉機器等ものづくり検討会の発足目的など、第1回医療・福祉機器等ものづくり検討会レポートはURL:https://nagasaki-keizai.jp/other/topics/5362を参照ください。

(2023.6.2 村田 聡)

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