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長崎経済研究所

災害への備え、十分ですか?

  九州では、今年8月に日向灘を震源とした地震や台風10号による大雨など、多くの自然災害が発生しました。そこで、今回は災害への備えについてリサーチしました。

 ながさき暮らしのデータBOX  リサチャン☆アンケート

調査方法 : 長崎県内に居住する18歳以上男女をモニターとするwebアンケートサイト「リサチャ
       ン」で実施。
調査期間 : 2024年10月17日(木)~10月23日(水)
回答者数 : 375人
【年齢層】30歳代以下 63人 40歳代75人 50歳代 126人 60歳代以上 111人

※グラフの構成比は、端数処理の関係で合計が100%にならない場合があります。クリックするとグラフはすべて拡大できます。

◆防災に対する意識は?・・・ 今年発生した地震や台風、大雨の報道を受けて、防災意識が“高まった”が6割超

 今年発生した地震や台風、大雨の報道を受けて防災への意識が高まったか尋ねたところ、「とても高まった」が11.2%、「ある程度高まった」が50.1%となり、合わせると6割超は防災意識が“高まった”と回答しました。また、「以前から高かった」は13.6%でした。一方、「あまり変わらなかった」との回答は25.1%でした。

 性別でみると”高まった”との回答は、女性が68.0%に対し、男性は51.6%でした。年代別では“高まった”との回答は、40歳代が68.0%と最も高く、次に60歳代以上が62.2%となり、30歳代、50歳代も約6割に上りました。

◆災害への備えを行っている?・・・半数超の55.7%が「災害への備えを行っている」

 災害への備えを行っているか尋ねたところ、「行っている」が55.7%、「行っていない」が44.3%でした。

 これを年代別にみると、年代が高いほど、「行っている」割合が高いことが分かります。

 性別でみると、「行っている」と回答したのは、男性59.6%、女性52.5%でした。

◆どのようなモノを備えている?・・・「懐中電灯やモバイルバッテリー」、「非常用の飲料水や保存食」が約9割

 前問で災害への備えを「行っている」と回答した方に、どのようなモノを備えているか複数回答で尋ねたところ、「懐中電灯やモバイルバッテリー」(88.5%)と「非常用の飲料水や保存食」(87.6%)が9割近くに上りました。これに「救急用品や衛生用品」(44.5%)と「簡易トイレ」(37.8%)が続きました。

 年代別にみると、「非常用の飲料水や保存食」と「懐中電灯やモバイルバッテリー」の回答割合は世代を問わず高い一方、「救急用品や衛生用品」と「簡易トイレ」の回答割合が、40歳代以下の若い世代では5割台と、他年代と比べて高くなっています。

 また、性別でみると、「簡易トイレ」で女性が48.7%と、男性(24.4%)の2倍となっています。

◆この1年間で防災関連のモノへの支出額は?・・・「5千円未満」が57.4%と最多

 前問で災害への備えを「行っている」と回答した方に、この1年間で防災関連のモノへの支出額について尋ねたところ「5千円未満」が57.4%で最多となり、「0円」を合わせると6割超を占めました。

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 これを年代別にみると、30歳代以下と40歳代では、「0円」と「5千円未満」を合わせた割合が6割以下でした。また支出額については、「5千円未満」が最多となりました。

 性別では、1万円以上の支出額が女性の40%に対し、男性は約30%と、女性の方が支出金額は高い傾向にあります。

◆防災対策を行っていない理由は?・・・「何をして良いか分からないので」と「自分の住んでいる地域は大丈夫だと思うので」が約3割

 前問で「防災対策は行っていない」と回答された方に、その理由を尋ねたところ、「何をして良いか分からないので」が30.1%、「自分の住んでいる地域は大丈夫だと思うので」が29.5%となり、それぞれ約3割に上りました。また、「緊急性を要しないので」が16.3%、「特になし」が14.5%でした。

 年代別にみると、30歳代以下と40歳代、50歳代で「何をして良いのか分からないので」が、それぞれ30%強と1/3を占めた一方、60歳代以上では25%弱と1/4でした。 また、「お金がかかるので」は、年代が高くなるほど減少傾向にあります。

◆防災に関する知識や情報は?・・・「テレビやラジオ」で提供されると良いが8割超

 防災に関する知識や情報について何によって提供されると良いと思うか複数回答で尋ねたところ、「テレビやラジオ」が83.5%で最多となり、「インターネット」も70.7%に上りました。以下、「新聞や雑誌」(34.1%)、「国や自治体が発行する広報誌」(33.9%)、「学校での教育」(27.2%)、「自治体などでの会合や友人等との会話」(16.3%)の順となりました。

◆災害への備えについてひとこと

◆定期的に災害用の食品の賞味期限をチェックしている。(長崎市、30代女性)

◆無理なく普段の生活の延長で備えをすると良いと聞いたので、家族が不安や負担にならないよう備えていきたいと思う。(時津町、30歳代女性)

◆災害は自分には無関係と思わず、真剣に捉え、また日々の生活で環境に悪影響を与える行動を控えたい。(佐世保市、40歳代女性)

◆継続的な情宣を、いかに真剣味をもってできるかが、重要だと感じている。(長崎市、40歳代男性)

◆外国語や、やさしい日本語の防災情報にアクセスしやすくしてほしい。県や市のHPに掲載されている防災情報は、日本語版も情報が多すぎて分かりづらい。(長崎市、40歳代女性)

◆毎年決まった日に備蓄品を総点検するようにして災害対策へのアップデートも心掛けている。(諫早市、40歳代女性)

◆災害は自分には無関係と思わず、真剣に捉え、また日々の生活で環境に悪影響を与える行動を控えたい。(佐世保市、40歳代女性)

◆ペットの同行避難ができる施設を増やしてほしい。避難できないので、自宅で過ごす対策をしている。(長崎市、50歳代女性)

◆備えるに越したことはないが、どこまで備えるかの判断は難しい。(大村市、50歳代男性)

◆備えをしなければと思いつつ、大丈夫という気持ちがあって… やっぱり、備えなきゃと思った。(南島原市、50歳代女性)

◆「備えあれば憂い無し」と言うけれど、どのような備えが適してるか分かりにくい。(長崎市、60歳代女性)

◆熊本地震時に初めて震度5以上の揺れを体験して災害を身近に感じた。まだまだ備えが足りないと思っている。賞味期限や家具の配置等見直したい。(諫早市、60歳代女性)

◆備えをしっかりしておけば、少しは安心できると思う。(壱岐市、60歳代女性)

◆危機感が今ひとつないので積極的にやろうとしていない。(佐々町、60歳代男性)

◆必要性は感じるが、なかなか難しい。持ち出す物だけはまとめている。(南島原市、70歳代男性)

                                 (2024.10.31 泉 猛)

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