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長崎経済研究所

再エネ賦課金の値上げ

ながさき暮らしのデータBOX ~リサチャン★レポート~

 再生可能エネルギー普及のため、「固定価格買取制度」により電力会社に対し再生可能エネルギーから発電された電力を高い固定価格で買取ることを義務づけています。その買取費用は、「再エネ賦課金」としてすべての電気使用者(家庭や企業など)の電気料金に上乗せされています。

 そこで、今回はこの「再エネ賦課金」について伺いました。

【調査方法】長崎県内に居住する18歳以上男女をモニターとするwebアンケートサイト「リサチャン」で実施。
【調査期間】2024年4月19日(金)~25日(木)
【回答者数】357人
【属  性】<年齢層> 30歳代以下:55人 40歳代:77人 50歳代:117人 60歳代以上:108人
※グラフの構成比は、端数処理の関係で合計が100%にならない場合があります。
※クリックするとグラフはすべて拡大できます。

◆「再エネ賦課金」について知っていましたか? 

~制度自体を知らなかった人が4割~

 政府が再生可能エネルギー普及のため、電気代に上乗せしている「再エネ賦課金」について、知っていたか尋ねたところ、「そのような制度があること自体、知らなかった」という人が40.1%を占め、「名前は聞いたことがあるが、詳しくは知らなかった」が29.7%で続きました。一方、「名前も詳細も知っていた」という人は18.2%にとどまり、「名前は知らなかったが、そのような制度があることは知っていた」が12.0%でした。

 男女別にみると、「名前も詳細も知っていた」との回答が男性では34.0%だったのに対し、女性の場合は7.3%にとどまり、「そのような制度があること自体、知らなかった」が48.3%と半数近くを占めました。また、年代別では、50歳代以上が40歳代以下より「名前も詳細も知っていた」割合は高いことが分かります。                                        

 いずれにしても、10年以上も続いている制度ですが、認知度・関心は低いことがうかがえます。

◆「再エネ賦課金」についてどう思いますか?

~「特に不満はない」および「仕方ない」との回答が全体の1/4~

 「再エネ賦課金」についてどう思うか尋ねたところ、「意義は理解しており、特に不満はない」という人が3.9%、「意義は理解しており、仕方がない」が20.2%となっており、合わせると24.1%、全体の1/4は理解を示しています。一方、「意義は理解するが、不満がある」という人が29.7%、さらに「制度自体に疑問があり、見直してほしい」が17.9%となっており、不満や疑問を抱く人が全体の半数近くとなっています。なお、「わからない」が28.3%もあり、認知度が低いことを反映しているようです。  

 また、男女別にみると、男性が「意義は理解しており、特に不満はない」が6.8%、「意義は理解しており、仕方がない」が26.5%となっており、合わせると1/3が理解を示すのに対し、女性はそれぞれ2.0%、16.1%、合わせても2割に届きませんでした。

◆今後の再エネ賦課金についてどう思いますか?

~「負担がこれ以上増えないように」、「負担を減らしてほしい」がともに約3割~

 再エネ普及で固定価格買い取りが増え、上昇傾向にある再エネ賦課金の今後についてどう思うか尋ねたところ、「賦課金の負担がこれ以上増えないようにしてほしい」との回答が31.7%、「賦課金の負担を減らしてほしい」も27.7%となりました。一方、「再エネを増やすため、賦課金の負担が増えてもよい」との回答は4.2%にとどまり、逆に「負担したくない」が22.4%でした。なお、「わからない」は14.0%でした。

 男女別にみると、賦課金を「負担したくない」との回答が男性で28.6%と女性(18.0%)を上回っているのが目立ちます。

◆再エネ賦課金が電気代の何%くらいまでなら、あなたは許容できますか?

~許容範囲は「5%以下」が大半~

 再エネ賦課金が電気代の何%くらいまでなら許容できるか、尋ねたところ、「5%以下(0%を含む)」との回答が74.8%を占め、次いで「10%以下」が20.7%となっており、高くても10%までという回答が殆ど(95.5%)でした。

 一方、「15%以下」と「20%以下」がそれぞれ1.7%、さらに「20%を超えてもよい」という人は1.1%となっています。

◆自由コメント

【「再エネ賦課金」についてひとこと】

 すでに、再エネ賦課金は一般家庭の電気代の1割を超えてきており、今後も当面、負担は増えることが見込まれています。皆さんのコメントでは、制度の広報・説明の充実や、負担の軽減、公平性の確保、よりよい制度への見直しなどを求める声が寄せられました。

〇未来の地球のために必要なのは理解できる。エネルギーの恩恵を受けている以上、目的のために正しく使われるのならば、多少の負担は仕方ない。(長崎市、50歳代、女性)

〇必要だから容認できる。(長崎市、60代、男性)

〇制度の内容を十分に理解できていないので勉強したい。(佐世保市、40代、女性)

〇広く知られるよう広報をしっかりしてほしい。(長崎市、40代、男性)

〇知識がなければ各種制度について疑問にすら思わない。これは危険なことだと思った。自分の生活を守るためにもしっかりと知識をつけて自らの生活に関連することに当事者意識をしっかりと持たなければと反省した。(佐世保市、30歳代、女性)

〇光熱費が今でも高いのにこれ以上の出費は苦しい(佐世保市、40歳代、女性)

〇仕方ないとは思うけれど 安い方が良いのには越したことがないです。(大村市、40歳代、女性)

〇疑問点や問題点が多々見受けられます。納得のいかないものに支払うのは嫌な気持ちです。(諫早市、30歳代、女性)

〇環境を考慮すれば再エネの意義は理解できるが、子育て世帯に対するこれ以上の家計負担増はきつい。(長崎市、40歳代、男性)
  

〇もっといい制度に変えていってほしい。(諫早市、50歳代、男性)

〇再生可能エネルギーの利用は大事なこととは思いますが、恩恵を受ける人と受けない人との不公平差が大きくならないようにしてもらえるとよいかと思います。(長崎市、60歳代、女性)

〇資源に乏しい日本で再生エネルギーの普及は必要だと思いますが、太陽光発電事業が上手くいかずパネルが問題になったりしてるし、賦課金だけでなく全体的な見直しが必要な時期にきてると思います。(長崎市、50歳代、女性)

                                  (2024.5.1 中村 政博)

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