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長崎経済研究所

キャッシュレス決済、今後は? 2023

ながさき暮らしのデータBOX  ~リサチャン★レポート~

 キャッシュレス決済について政府は、その比率を40%程度まで引き上げることを目指し、2019年から様々な取り組みを行ってきました。約4年が経過した現在、キャッシュレス化はどこまで進んだのでしょうか。
 そこで、今回は昨年に引き続き「キャッシュレス決済」についてリサーチしました。

調査方法 : 長崎県内に居住する18歳以上男女をモニターとするwebアンケートサイト「リサチャン」で実施。
調査期間 : 2023年4月11日(火)~4月17日(月)
回答者数及び属性:393名【年齢】30歳代以下65名、40歳代86名、50歳代139名、60歳代以上103名
※グラフの構成比は、端数処理の関係で合計が100%にならない場合があります。
※クリックするとグラフはすべて拡大できます。

◆6割近くが、「キャッシュレス決済が現金より多い」

 普段の買い物や飲食の支払いの際、現金とキャッシュレス決済のどちらを利用することが多いか尋ねたところ、「キャッシュレス決済が現金より多い」が57.8%と6割近くを占めています。これに「現金とキャッシュレス決済はほぼ同じくらい」(18.8%)と「現金がキャッシュレス決済より多い」(19.6%)がほぼ同数で続き、「現金のみでキャッシュレス決済はまったくしない」は3.8%にとどまりました。

 今回の結果を、これまでの調査結果(19年4月(消費税率引上げ前)、19年10月(引上げ直後)、21年4月、22年4月)と比較すると、次の通りとなります。

 「キャッシュレス決済が現金より多い」の割合は、19年4月(20.5%)から22年4月(57.2%)まで着実に増加し、「現金がキャッシュレス決済より多い」は、19年4月(45.8%)から22年4月(18.1%)まで減少していましたが、今回の調査では昨年の結果とほぼ変化はありませんでした。

 しかし年代別でみると、60歳代以上では「キャッシュレス決済が現金より多い」が61.2%(前年比+9.8ポイント)と今回も増加し、30歳代以下(61.5%)とほぼ同じ割合になっています。

◆キャッシュレス決済の理由、上位は「スムーズに会計できるから」と「ポイントが貯まるから」

 利用頻度に関わらず「キャッシュレス決済をする」と回答した人にその理由を複数回答で尋ねたところ、「スムーズに会計できるから」(80.7%)と「ポイントが貯まるから」(78.3%)が上位を占めました。以下「キャッシュレス決済のお店が増えたから」(47.4%)、「現金をあまり持ち歩かないようにしているから」(23.5%)が続いています。

◆現金を使用する理由、トップは「お金の動きが見える・管理がしやすいから」

 「現金のみでキャッシュレス決済はまったくしない」と回答した人にその理由を複数回答で尋ねたところ、8割の人が「お金の動きが見える・管理がしやすいから」(80.0%)をあげています。

◆キャッシュレス決済の利用場所、「スーパー」「コンビニエンスストア」が上位

 これまでにキャッシュレス決済を利用したことのある場所を尋ねたところ、「スーパー」(87.3%)と「コンビニエンスストア」(86.0%)が8割を超えました。このほか、「飲食店」(74.6%)、「ドラッグストア」(66.4%)、「ショッピングセンター」(64.3%)、「衣料品店」(60.1%)でも6割を超えています。

 また、「病院・調剤薬局」は31.5%と利用が少なかったですが、コメントには「今後もっと利用できたらいいと思う場所」として多くの人が「病院・調剤薬局」をあげていました。

◆決済手段は、「クレジットカード」と「スマートフォンを利用した決済アプリ」が7割超

 キャッシュレス決済でよく利用する決済手段を複数回答で尋ねたところ、「クレジットカード」(74.9%)と「スマートフォンを利用した決済アプリ」(73.3%)が上位を占め7割を超えました。このほかでは、「交通系電子マネー」が37.3%、「商業系電子マネー」が26.2%となっています。

◆今後キャッシュレス決済を「(どちらかといえば)増やしたい」が約7割

 今後、キャッシュレス決済による支払いを増やそうと思うか尋ねたところ、「増やしたい」が35.6%、「どちらかといえば、増やしたい」が31.8%で、合わせると約7割(67.4%)が「(どちらかといえば)増やしたい」と回答しており、「減らしたい」(1.5%)、「どちらかといえば減らしたい」(2.8%)は僅かとなりました。また、「特に考えていない・わからない」と回答した人も28.2%いました。

◆決済方法の選択、「感染予防対策と関係していない」が約7割

 また、現在あるいは今後の決済方法と新型コロナウイルス感染予防は関係しているか尋ねたところ、「関係している」は6.9%で、「どちらかといえば関係している」の21.6%を合わせると約3割(28.5%)が「(どちらかといえば)関係している」としています。一方、「まったく関係していない」は24.7%で、「あまり関係していない」の43.8%を合わせると約7割(68.5%)が「(まったく、あまり)関係していない」と回答しており、コロナ感染予防を要因とすることなく浸透しているようです。

◆自由コメント:「キャッシュレス決済」についてひとこと。

【良かったこと】

〇子供を連れていると荷物も多いし、財布を鞄から取り出して、お金を払って、おつりを受け取って~……の動作が大変なので携帯1つかざすだけで済むのはすごくありがたい。(長崎市、30歳代、女性)

〇スマホだけで出かけることができて便利。(佐世保市、10歳代、男性)

〇ポイントが貯まるので、現金で支払うよりお得だなと思います。(長崎市、20歳代、女性)

〇お金(特にお札)は除菌しにくいですが、カードやスマホは拭くことが出来るので、感染症対策としてもキャッシュレス決済ができると便利だと思います。(長崎市、50歳代、女性)

〇これまではお金をおろしに街に出なければならないことも多かったです。キャッシュレス決済だと、いちいち現金を下ろしに行かなくても良いし手数料もとられません。お金が足りない心配もなく便利。(五島市、50歳代、女性)

【困ったこと】

〇可能な限り全てキャッシュレス決済にしたい。でも、スマホの電波が届かない場所でスマホのキャッシュレス決済が使えずに困ったことがあるので、念のため現金はスマホに入れて持ち歩いている。(佐世保市、30歳代、女性)

〇アプリを立ち上げたり、顔認証や画面の切り替えに時間が掛かったり、フリーズしたり…何かと手間取る事が多くて使うのがおっくうになる事が多々あります。(長崎市、40歳代、女性)

〇システム障害が起きるとたちまち何もできなくなるのでどちらも必要かと。レジで会計が足りない時に貯めていたポイントがあったので助かったことはあります。(長崎市、50歳代、女性)

〇決済方法が多すぎて、どれが対応してるかがわかりにくいときがある。(長崎市、30歳代、女性)

〇キャッシュレス決済が増えて、あまり現金(特に小銭)を持たなくなった。自治会費や子供の学校の集金など、現金が必要な時はわざわざ両替をして小銭を準備する必要があり、面倒。(長崎市、50歳代、女性)

キャッシュレスができたらいいと思う場所

〇駐車料金を全てキャッシュレスにして欲しい。キャッシュレス対応のお店に行くからと現金持たずに出掛けて、駐車料金を精算する時に慌てた事がある。たまたま現金が車にあったので良かったですが。(諫早市、50歳代、女性)

〇病院、調剤薬局の支払い。個人病院は現金のみのところが多い。現金は少ししか持ち歩かない為、ちょっと焦ることがある。(長崎市、50歳代、女性)

【その他】

〇先日、地元の神社に詣ったら、お賽銭がスマホ決済になっていて驚きました。金銭管理がしやすいし、盗難防止にもつながるなあと。しかし、肝心の神様はどう感じておられるのでしょう…(長崎市、60歳代、女性)

〇お祝い、賽銭、寄付、仕送り、、、、 まだまだ、現金ですねえ。(諫早市、50歳代、男性)

〇コロナ禍のおかげで普及が早まり、利用方法を覚える良いきっかけとなりました。(長崎市、50歳代、女性)

〇お得で便利と思う反面、高齢者の私には管理が煩わしいように感じる。だんだん高齢者には住みにくい時代になるようだ。(長崎市、70歳以上、女性)


(2023.4.20 高橋 純子)

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