昔は当たり前だったご近所付き合いや地域の集まり。いつからか希薄になり、最近では隣人の顔や名前を知らないという人も…。
そこで、今回は「ご近所付き合いと自治会活動」をテーマにリサーチしました。
調査方法 : 長崎県内に居住する18歳以上男女をモニターとするwebアンケートサイト「リサチャン」で実施。 調査期間 : 2023年2月1日(水)~2月7日(火) 回答者数及び属性:387人 【年 齢】30歳代以下66人、40歳代85人、50歳代134人、60歳代以上102人 |
ご近所付き合いをどの程度しているか尋ねたところ、「積極的にしている」は2.8%と僅かでしたが、「できる範囲でしている」は約半数の51.4%を占め、合わせると54.2%が「している」と回答しています。一方、「まったくしていない」との回答も12.9%ありました。
これを年代別にみると、年齢が上がるほどご近所付き合いを「している」(「積極的に」+「できる範囲で」)との回答割合は高くなっており、「60歳代以上」では約6割(59.8%)となっています。一方、「30歳代以下」では、「まったくしていない」との回答が、約3割(27.3%)を占めました。
自宅から最寄り10 世帯くらいにどんな人が住んでいるか知っているのかを尋ねたところ、「ほとんど知っている」は27.9%、「半分以上知っている」は27.9%、「2~3世帯は知っている」は28.9%と、いずれの回答も約3割で拮抗する結果となりました。一方、「ほとんど知らない」との回答も15.2%ありました。
これを年代別にみると、50歳代以上では「(ほとんど又は、半分以上)知っている」との回答割合が6~7割なのに対し、40歳代以下では4割前後にとどまっています。
ご近所付き合いは必要だと思うか尋ねたところ、「どちらかと言えば必要だと思う」が57.9%で最も多く、「必要だと思う」の19.1%と合わせると約8割(77.0%)が「(どちらかと言えば)必要だと思う」と回答しています。一方、「(どちらかと言えば)必要ないと思う」は2割弱(16.1%)にとどまりました。
年代別にみると、年齢が上がるほどご近所付き合いは「(どちらかと言えば)必要だと思う」との回答割合が高くなっていますが、「30歳代以下」でも63.7%が「(どちらかと言えば)必要だと思う」と回答しているのは注目されます。
先の質問で、ご近所付き合いは「(できる範囲で)している」と回答した人は約半数の54.2%でしたが、実際にはそれより多くの人がご近所付き合いの必要性を感じているようです。
自治会・町内会に加入しているか尋ねたところ、74.4%が「加入している」と回答しました。
これを年代別にみると、年代が上がるほど、加入している人の割合は高くなっており、30歳代以下で加入している人は約5割(54.5%)ですが、60歳代以上では約9割(86.3%)が加入しています。
自治会・町内会に「加入している」と回答した人にその理由を複数回答で尋ねたところ、「昔から加入していた」が43.8%で最も多く、以下「生活に必要な地域の情報が得られる」(38.2%)、「災害時に助け合える」(30.6%)、「地域の人と交流ができる」(30.2%)と続いています。
また、自治会・町内会に「加入していない」と回答した人にもその理由を複数回答で尋ねたところ、「加入しなくても困らない」が44.4%で最も多く、これに「わずらわしい」(33.3%)と「役員になりたくない」(32.3%)が続きました。
【ご近所付き合いをしていて良かったこと、困ったこと、自治会活動などについてひとこと。】
〇挨拶を交わしたり、ちょっとしたお話もするので、ご近所付き合いをすると気持ちが明るくなる。(佐世保市、20歳代、女性)
〇困った事は特に無し。お年寄りが多いので『ちょっと機械がわからなくて…』と頼りにしてくれ、お裾分けもたくさん頂けるのでありがたい。不審者を見かけたなどの共有も出来るのである程度近所付き合いはするべき。(諫早市、30歳代、女性)
〇子供が小さいので、お隣りの敷地で遊ばせてもらったり、お礼におすそ分けをしたりしています。何かあったときに助けていただける関係を築きたいと思います。同じくらいの年齢の子とも楽しく遊んでいます。(諫早市、30歳代、女性)
〇災害があった時などに助け合える。そのためにもご近所さんは知っておいたら良い。自治会活動に参加することで、様々な年齢の方と交流でき、とても心が温まる。自分が高齢者になった時のことも前向きに考えられる。(長崎市、50歳代、女性)
〇無理せず、強制せず、できる範囲・できるペースでしていけばいいと思います。(長崎市、50歳代、男性)
〇言葉かけをしてもらい、困ったときは相談にのってもらえ、ご近所さんには感謝している。(川棚町、50歳代、女性)
〇程よいお付き合いができていて良いのですが、自治会の役員決めがいまだに大変なこと、毎月の当番制の公園清掃が負担だと思います。(長崎市、50歳代、女性)
〇自治会は必要だが役員にはなりたくないという勝手な気持ちでいます。( 長崎市、60歳代、男性)
〇自治会加入のメリットを感じた経験がほぼ無い。気づかないところでメリットがあるかもしれないが、そうであればそれをもっと周知しなければならない。(長崎市、30歳代、男性)
〇共働き世帯が増えている状況で自治会の活動を維持するのは困難だと思う。PTA、消防団もしかり。新しい制度を考える必要があると思う。(長崎市、30歳代、女性)
〇目的を見失ってしまった会合の多い自治会活動には、参加したくないです。慣習・慣例で会合や規約を見直そうといった思考が無いことや、見直そうとしても反対意見が多いことが、自治会が衰退する原因だと思います。(長崎市、40歳代、男性)
〇周りの同年代世代は自治会加入をやめている人ばかりです。ゴミ袋は個人購入で、広報誌は銀行やコンビニにも置いてあるので自治会は不要。公営住宅ではゴミステーションの鍵開けや当番が煩わしい。高齢者世帯には負担が大きい。(長崎市、50歳代、女性)
〇自治会が、時代の流れについていけず持続可能ではなくなっていると感じており、3月末で退会しようと考えています。自治会に代わる新しい時代に合ったコミュニティが必要なのではないでしょうか。(長崎市、50歳代、男性)
(2023.2.10 高橋 純子)
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