2022年景況感と物価について

ながさき暮らしのデータBOX 　～リサチャン★レポート～

　日本銀行長崎支店は、2022年6月発表の金融経済概況において、県内の景気は「緩やかに持ち直している」として2か月連続で判断を引き上げました。
　皆さんは、現在の景気や物価についてどのように感じているのでしょうか。

調査方法 ： 長崎県内に居住する18歳以上男女をモニターとするwebアンケートサイト「リサチャン」で実施。 調査期間 ： 2022年5月31日（火）～6月6日（月） 回答者数及び属性：376人【年齢】30歳代以下70人、40歳代87人、50歳代126人、60歳代以上93人

《最近の景況感について》

◆県内景気

　最近の県内景気について、１年前と比べてどのように感じるか尋ねたところ、「とても良くなった」は0.5％、「やや良くなった」は18.1％となり、これらを合わせた「良くなった」は18.6％でした。一方、「とても悪くなった」は9.8％、「やや悪くなった」の32.2％と合わせた「悪くなった」は42.0％となりました。
　過去3年の調査結果を比較すると、景況感を示す指数ＤＩ［＝（「とても良くなった」＋「やや良くなった」）−（「やや悪くなった」＋「とても悪くなった」）］は、20年は▲78.8、21年は▲65.6、22年は▲23.4と依然マイナス水準が続いていますが、徐々に回復傾向にあります。

《理由》

【良くなった】 〇長崎駅周辺が新しくなり、人出や消費が増えたように思うから。（諫早市、30歳代、女性） 〇修学旅行生や観光客をよく見かけるようになった事と、飲食店に前より人が入っていると思うので。（長崎市、50歳代、女性） 〇バイトの時給が上がった。（長崎市、20歳代、女性）

【変わらない】 〇観光客が少しずつ増えてきたけど、商品の価格が上がって買い控えもしているのでプラスマイナスゼロと感じた。 （長与町、40歳代、女性） 〇まだコロナも落ち着く感じではないので1年前とは変わらないと思う。（長崎市、60歳代、女性） 〇特に仕事が忙しくなるわけでもなく、お給料が上がるわけでもないから。（長崎市、30歳代、女性）

【悪くなった】 〇街を歩いても閉店した店ばかりで廃墟の様に思える。物価ばかり上がり閉塞感しかない。（佐世保市、50歳代、女性） 〇造船業が不景気になると長崎の経済はどうなるのかなと思う。またコロナで、なかなか観光業もままならない。よくなる気配が感じられない。（佐世保市、60歳代、女性） 〇給料は上がらず、物価だけが上がっている。（長与町、20歳代、男性）

◆現在の物価

　また、現在の物価について、１年前と比べてどのように感じるか尋ねたところ、「とても上がった」が27.1％で、「上がった」の64.9％と合わせると92.0％に達しており、大半が物価が上がったと感じています。
　過去3年の調査結果を比較すると、物価ＤＩ（＝［「とても上がった」＋「上がった」］−［「下がった」＋「とても下がった」］）は、20年51.9、21年57.1から、22年は90.4へと前年比33.3ポイントの大幅上昇となり、この1年で物価の上昇を感じている人が急増していることがうかがえます。
　その理由として、「長引くコロナ禍や急激に進む円安の影響を受け、ガソリン代、食料品など数多くのものの値上がりを感じている」とのコメントが多く寄せられています。

《理由》

【上がった】 〇安い！とチラシに書いてあっても１年前より価格が高い。（長崎市、40歳代、女性） 〇実際に値段が上がったものと内容量が減って実質値上げしたものが様々な品目でみられる。（長崎市、50歳代、女性） 〇小麦粉関連、乳製品、油製品等、食料品の値上げとガソリンの価格は全国一番高値等々、愚痴を言えばキリが無い！！！！！！！！！！（長崎市、70歳以上、男性）

【変わらない】 〇物の価格が上がってきているとニュースでは聞くけれど、実感がまだついてきていない。（佐世保市、60歳代、女性）

◆購買意欲（お金の使い方）

　さらに購買意欲（お金の使い方）は、１年前と比べてどう変化したか尋ねたところ、「高くなった（緩くなった）」は5.9％にとどまり、「低下した（引き締めた）」が46.0％、「変わらない」が48.1％でした。
　過去3年の調査結果を比較すると「低下した（引き締めた）」は、20年54.7％、21年52.8％、22年46.0％と減少傾向にあり「変わらない」の割合が高くなっています。賃金が上がらないなか、物価が上昇し、家計にとって打撃となり購買意欲がなかなか高まらないことがうかがわれます。

《理由》

【高くなった（緩くなった）】 〇我慢が多いので、使える時に使おうと思うようになった。（長崎市、50歳代、女性） 〇週末など遊びに出かけることが増え、1年前と比べるとレジャーにあてる支出が増えてきた。（佐世保市、30歳代、女性）

【変わらない】 〇去年すでに絞っていたから、これ以上絞れない。（長崎市、30歳代、女性） 〇元々無駄遣いはしてないから 必要最低限の物を買うだけ。（長崎市、30歳代、女性） 〇コロナ禍で外食は減ったが、そのぶん物を買ったりすることが多くなったため。（長崎市、30歳代、女性）

【低下した（引き締めた）】 〇引き締めたつもりはないが、コロナで行動制限があり外食の機会が減り、旅行等も控えたので。（長崎市、60歳代、女性） 〇衝動買いはなくなりました。先が見通せないので辛抱しようと家庭では話し合っています。寝室のクーラーの調子が良くないのですが、今年買い替えはしません。（佐世保市、60歳代、男性） 〇物は値上がりし、賃金は上がらず、年金は減少。引き締めざるをえない。（長与町、60歳代、男性）

《1年後の見通しについて》

◆1年後の県内景気

《理由》

【良くなりそう】 〇新幹線の開通による県内全体での盛り上がりに期待しているため。（諫早市、30歳代、 男性） 〇コロナ禍が収束に向かい、withコロナになって、経済が少しずつ回復しそうだから。（対馬市、50歳代、女性） 〇希望を込めて…！（雲仙市、20歳代、女性）

【変わらない】 〇中心部が変わっても周辺部には影響がないから。（諫早市、40歳代、男性）               〇海外からの観光客を再び迎え入れるようになっても、すぐには景気に反映されないと思う。（長崎市、40歳代、男性） 〇企業が賃上げをしない限り、個人消費が伸びず、結果的に景気は良くならないと思われるので。（長崎市、40歳代、男性）

【悪くなりそう】 〇日本全国同様だが、企業はコストを商品価格に転嫁するものの、従業員の給与アップにはほとんど充当されないから、従業員の購買力がアップするはずがない。（長与町、60歳代、男性） 〇地方での景気回復は、都市部に比べ時間かかると思うから。（長崎市、50歳代、女性） 〇良くなる兆しも感じないし、その要因もないと思う。（佐世保市、30歳代、女性）

◆これから先1年間の購買意欲（お金の使い方）

《理由》

【高くなる（緩くなる）】 〇旅行を控えていた分、行動緩和になると出かけたくなるので、お金も使うと思う。（長崎市、60歳代、女性） 〇この3年間の反動と、年齢的にも老後に入り悔いの残らないよう過ごしたいと考えている。（長崎市、60歳代、女性） 〇食事や旅行などパーッと行きたいです。（長崎市、50歳代、女性）

【変わらない】　 〇一度上がった物品価格は簡単には下がる事は無いので収入と支出のバランス的に。（長崎市、50歳代、男性） 〇今までの生活スタイルが大きく変わるとは思えないから…コロナの2年を経て、相当に絞りこんだ生活スタイルが定着してきたから。（長崎市、50歳代、男性） 〇将来への不安は変わらないから。（長崎市、30歳代、女性）

【低下する（引き締める）】 〇将来どうなるか全く見通せない以上、購買意欲は低下するのは間違いない。（長崎市、50歳代、男性） 〇さすがに今の物価高はこたえます。将来設計が見通し立たない。（長崎市、50歳代、女性） 〇しばらく物価上昇が続きそうだから。戦争、円安が変わらない限りは倹約したい。（長崎市、30歳代、女性）

《円安について》

◆円安

《理由》

【影響がある】 〇ドル建て保険に加入している。 保険料5,000円以上UPとか勘弁してほしい。（長崎市 、女性、50歳代） 〇子供が語学研修でホームステイする予定なので、以前の目安の金額よりもだいぶ高く見積もらないといけなくなった。（長崎市、女性、40歳代） 〇外貨預金を長い間寝かせていたが、今回の円安で為替差益を得てとても嬉しかった。（長崎市、60歳代、女性） 〇外国産の食料品は少しずつ値上がりしているので。（長与町、40歳代、女性）

【影響はない】 〇海外に行く予定もないし、投資をしているわけでもないから。（長崎市、60歳代、女性） 〇何も影響を受けている実感がないから。（長崎市、50歳代、男性）

◆自由コメント

《長崎県あるいはお住まいの地域で、これからの暮らしに必要なこと、個人ができることは何だと思いますか？ また、企業や自治体に期待することは何ですか？》

【個人ができること】

地産地消
〇少々お高くても県内産品を極力購買するようにしている。安心・安全・安定供給。（長崎市、50歳代、男性）
〇地産地消を積極的に行って、長崎の景気回復につながるようにしていきたい。（長崎市、40歳代、　女性）
〇ある程度お金が回らないと、景気は良くならないので、地元でお金を落とすよう、地産地消や県内消費を心掛ける。（長崎市、60歳代、女性）

節約
〇節電・節水・廃棄ロスの削減。（長崎市、60歳代、女性）
〇電気・おカネ・モノの無駄遣いをなるだけ減らすこと。（長崎市、40歳代、男性）
〇お金はないけど物を大切に！食べ物も無駄なく！賢く、楽しく、暮らす！（佐世保市、70歳以上、女性）

まちづくり
〇お互いに思いやりを持って他人と協力しあう。物や食品を無駄にしない。社会的弱者の人たちも安心・安全に暮らしやすい街づくりがなされるように、市や県に求めていく。（佐世保市、30歳代、女性）
                          
SDGs
〇リサイクルできるものは面倒だと思わずに行う。（諫早市、30歳代、女性）
〇身近なところからSDGs。（長崎市、60歳代、男性）
〇ゴミの分別や食品ロスを無くして、小さな事から気をつけていこうと思います。（佐世保市、50歳代、女性）
〇環境汚染防止に配慮した企業を応援し、資源を有効活用した商品を選んで購入する。（長崎市、60歳代、女性）

魅力発信
〇携帯電話の普及により、SNSを活用し、地元の良さを国内外に向けて発信できる機会が多くの個人にあるので、もっとSNSを活用したほうがよい。（佐世保市、40歳代、女性）
〇観光客の人たちがまた来たいと思ってくれるようなおもてなしの心を持ちたい。あいさつや環境美化など。（長与町、30歳代、女性）

将来への備え
〇金融リテラシーの向上、もはや年金だけでは暮らせない事は明らか、誰しも将来に向けた準備（投資など）は必要不可欠です。（長崎市、50歳代、男性）
〇とりあえず少しでも老後に備えたいとは思っています。（長崎市、40歳代、女性）

【企業や自治体に期待すること】

賃上げ
〇基本給の賃上げ。値上がり対策で補助金や特別手当をだしてほしい。（大村市、20歳代、男性）
〇賃上げやそれをサポートする行政支援。（長崎市、40歳代、男性）

活性化
〇企業も自治体も、地元のものを使って更に経済を回せるように、キャンペーンなどを使ってどんどん消費につなげて欲しい。（島原市、40歳代、女性）
〇補助金、助成金等どんどん実施してほしい。まだまだ足りてない。（長崎市、60歳代、男性）
〇長崎県内の経済が回復するように各分野にて県内で消費を増やす仕組みづくりに取り組んで欲しい。 プレミアム付き商品券の再販売をして欲しいな～（佐世保市、30歳代、女性）

デジタル化
〇国で進めているIT化を地方の行政機関でも進めて欲しい。マイナンバーカードを作ったが、住民票の発行もコンビニでできない。（南島原市、70歳以上、男性）

観光
〇海外からの観光客が立ち寄りたくなるような魅力的な街づくり。（大村市、60歳代、女性）
〇観光のまち長崎にするには、もう少し分かりやすい誘導、工夫が必要では。（長崎市、60歳代、女性）
〇もっと長崎をアピールしてほしい。他県に比べ発信力がない。（長崎市、60歳代、男性）

新幹線
〇秋には新幹線開業があるが、人が流出しないよう、長崎に呼び込む工夫をしてほしい。（長崎市、60歳代、女性）
〇新幹線開業、出島メッセ、IRだけに依存しない、景気に左右されない対策を。（長崎市、40歳代、男性）

高齢者・若者
〇少子高齢化が一段と進むと思うので、 子供や高齢者が安心して生活出来る商品やサービスの提供を期待します。（諫早市、50歳代、女性）
〇地元にいても、子どもたちがオンラインで都会の大学や専門学校の授業を受け、資格を取得したりする制度を充実させてほしい。もっと若い世代が家庭を持ちやすく、子どもを産み育てやすいように、福祉を充実させるべきである。（佐世保市、女性、40歳代）
〇若者が安心して働ける場所の提供と、安心して子育て出来る環境、特に都会との賃金格差を縮小させる。（佐世保市、男性、60歳代）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　以上

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