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長崎経済研究所

10年後も長崎に住みたい?

 若者の流出や人口減少が課題となる中、長崎県民の皆さんはこれからの暮らしや長崎での未来をどのように捉えているのでしょうか。今回は10年後の定住意向についてお尋ねしました。

調査方法:長崎県内に居住する18歳以上男女をモニターとするwebアンケートサイト「長崎県民アンケート・リサチャン」で実施。
調査期間:2026年6月23日(火)~6月29日(月)
回答者数及び属性:418人
【年 齢】30歳代以下50人、40歳代92人、50歳代133人、60歳代以上143人
 ※グラフの構成比は、端数処理の関係で合計が100%にならない場合があります。

 10年後も長崎県に住んでいたいと思うか尋ねたところ、「ぜひ住みたい」(39.2%)と「できれば住みたい」(31.8%)を合わせた“住みたい派”が7割(71.0%)に上りました。一方、「できれば県外に出たい」(4.3%)と「ぜひ県外に出たい」(3.6%)を合わせた“県外に出たい派”は1割未満(7.9%)と少数に留まりました。

 年代別に見ると、60歳代以上では「ぜひ住みたい」が47.6%と半数近くに達するのに対し、30歳代以下では22.0%と4分の1の水準にとどまっています。さらに、30歳代以下では「どちらとも言えない」という保留の回答が42.0%と最も多く、若い世代ほど今後の定住に対して慎重、あるいは「ためらい」を感じていることが見て取れます。

 これまでに「県外に出たい」と思ったことがあるか(出たことがある人も含む)尋ねたところ、「何度もある」(24.9%)と「たまにある」(41.1%)を合わせ、約3分の2にあたる66.0%の人が「思ったことがある」と回答しました。

 年代別に見ると、30歳代以下では「何度もある」「たまにある」がともに40.0%に達し、合わせて8割(80.0%)もの人が県外へ出ることを意識したことがあると回答しています。年代が上がるにつれて「一度もない」と答える割合が増加する傾向(60歳代以上では13.3%)が見られるものの、全体として「一度は県外へ」と思ったことがある人が多数派であると言えそうです。

 定住・流出を左右する要因を尋ねたところ、全体で最も多かったのは「住環境・交通」(47.4%)で約半数に達しました。次いで、「収入・生活水準」(32.8%)、「仕事・キャリア」(30.9%)、「人間関係・地域性」(30.9%)と続いています。

 性別では、男性は「仕事・キャリア」を重視する割合が42.0%と高く(女性は23.8%)、働き口や仕事の質が定住判断に影響しているようです。

 さらに年代別では、30歳代以下において「住環境・交通」が60.0%、「仕事・キャリア」が46.0%、「収入・生活水準」が42.0%と、他の年代に比べて割合が高くなっています。若年層にとっては、生活の基盤となる「経済的な安定」や「キャリア形成の機会」が長崎に留まるべきか否かの判断材料になっていることがうかがえます。

 生活環境が整えば長崎県に住み続けたいと思うかを尋ねたところ、「思う」(59.8%)と「条件次第では思う」(32.5%)を合わせると、9割超(92.3%)の人が「住み続けたい」と回答しました。「あまり思わない」(4.1%)「思わない」(2.2%)は極めて少なく、県民の多くが「できることなら長崎で暮らしたい」と願っていることが分かります。

 環境さえ改善・整備されれば長崎に留まりたいという強い潜在的ニーズが存在していることは、今後の長崎の地域活性化において大きなヒントになりそうです。

 理想の暮らし方に一番近いものは何かを尋ねたところ、全体では「長崎県中心部で便利に暮らしたい」(44.0%)が最も多く、次いで「長崎県内の郊外・自然寄りで暮らしたい」(26.1%)となりました。また、「二拠点生活したい」という回答も1割を超えており(12.4%)、完全に長崎を離れるのではない、新しいライフスタイルへの関心も一定数存在しているようです。

 年代別に見ると、60歳代以上では「長崎県中心部で便利に暮らしたい」が57.3%と過半数を占め、年齢とともに利便性の高い中心部への居住志向が強まることが分かります。

 豊かな自然や「ちょうどいい田舎」としての住みやすさを評価し、10年後も現状のバランスが維持されることを望む声がある一方で、自動車関連コストの高さや仕事の選択肢、労働条件が改善されなければ、若い世代の県外流出を止められないという、生活・雇用基盤に対する危機感や課題も寄せられました。

〇駐車場代やガソリン代など、田舎ではなくてはならない自動車関係にかかるお金が隣県に比べて高すぎる。だからといって、それを差し引いてもプラスになる要素もないので、県外に出る人が多いのだと思う。(佐世保市、20歳代、男性)

〇自然豊な長崎でいて欲しい。 あまり変わってほしくない。 丁度いい田舎が大好きです。(長崎市、70歳以上、女性)

〇長崎市中心部は便利だが、北部は高齢化が進む一方だし利便性も低い。これを改善してほしい。(佐世保市、40歳代、女性)

〇新幹線やスタジアムシティのおかげで長崎市は大きく変わり、生活しやすくなりました。今後は長崎市だけではなく、ほかの市も活性化できれば、もっと長崎県が住みやすい場所になると思います。(長崎市、20歳代、女性)

〇東京都育ちで、結婚を機に移り住み13年です。都会の変化やスピードには、もう着いて行きにくいと感じる。10年後も、自然や都市のバランスが取れた長崎で暮らしたい。(西海市、40歳代、女性)

〇人口が減少し、地域環境の悪化が心配。子供が育つ環境はどうなるか?(長崎市、70歳以上、男性)

〇結婚で県外に出ることが決まっているが、仕事の選択肢や条件面がもっと改善されていれば長崎に帰ってきたいと思うかもしれない。(佐世保市、30歳代、女性)

〇ゴミゴミした都会より人情のある田舎暮らしが伸び伸び暮らせる。(東彼杵町、70歳以上、男性)

〇じゅうぶん住みやすい。 10代の若者や若い世代を残したいなら、もっと上の世代の県民の意識を変えないといけないと思う。(時津町、50歳代、女性)

〇国全体が縮小する中で、強制力を伴ってでも残す地域と捨てる地域を分けないと地域全部が崩壊するでしょうね。先細るヒト・モノ・カネの投じる先の取捨選択は政治にしかできないことだと思います。(佐世保市、40歳代、男性)

(2026.7.14 村田 聡)

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