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長崎経済研究所

2023年春の県内企業の新卒者採用と初任給および来春の採用計画

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■ 調査対象 :県内主要企業372社

■ 調査方法 :WEBと郵送を併用しアンケートを実施

■ 調査期間 :2023年4月26日~5月31日

■ 調査事項 :2023年春の採用実績(人数、初任給)、2024年春の採用計画

■ 回答企業数:製造業41社、非製造業144社、合計185社(回答率49.7%)

このうち「定期的な新卒者の採用は行っていない」とする55社を除いた有効回答企業数は製造業31社、非製造業99社、合計130社(回答率34.9%)。 

※端数処理の関係で内訳の計は必ずしも100%にならない。

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1.今春の新卒者採用状況 ―採用者数は前年を上回る―

(1)採用実施企業の割合 ―採用した企業の割合は44.9%、前年を2.5ポイント上回る― 

 調査回答企業185社のうち、今春新卒者を採用したのは83社で、その割合は44.9%と前年同期調査(同198社のうち84社、42.4%)を2.5ポイント上回った。

 内訳をみると、「前年より増やした」(前年同期27社、構成比13.6%→今回34社、18.4%)とする割合が4.8ポイント増加。一方、「前年より減らした(応募が少なかった)」(同15社、7.6%→16社、8.6%)と「今年は応募が無く、採用できなかった」(同30社、15.2%→26社、14.1%)を合わせた‘計画通りに採用できなかった’企業の割合も2割程度あった。(22.8%→22.7%)(図表1)。

(2)採用者数 ―前年比14.2%増―

 今春新卒者を採用した企業83社の採用者数は401人で前年採用実績(351人)を14.2%上回った。学歴別内訳は、大学院卒26人、構成比6.5%、大卒123人、同30.7%、短大・高専卒44人、同11.0%、高校卒208人、同51.9%となっている。

 採用者数を業種別にみると、製造業全体では142人、前年実績比4.7%減となった。輸送機械(45人、21.6%増)、電気機械(27人、22.7%増)は増加したが、食料品(40人、25.9%減)、一般機械(16人、15.8%減)は減少した。一方、非製造業では259人、同28.2%増となった。小売(59人、15.7%減)を除いて、運輸(35人、12.9%増)、建設(60人、25.0%増)、卸売(43人、48.3%増)が増加し、なかでもサービス(60人、172.7%増)は約3倍に増加した。

 学歴別・業種別にみると、大卒(25.5%増)、短大・高専卒(18.9%増)、高校卒(10.6%増)はいずれも2桁台の伸び率で、サービスはいずれの学歴も大幅増。大学院卒はほぼ前年並みで輸送機械が7割強を占める。

 次に、企業規模別・学歴別にみると、大企業大卒が増加したものの、高校卒が減少し全体としては前年並み。中小企業は例年採用数が多い高校卒(38.3%増)が大幅増、短大・高専卒(27.3%増)も増加したことから前年を25.3%上回った。大学院卒は8割が大企業という結果になった(図表2)。

(3)初任給 ―前年比増加―

 初任給額(回答企業の単純平均)をみると、大学院卒が216,067円で前年比1,167円(0.5%)増、大卒が200,292円で同2,513円(1.3%)増、短大・高専卒は177,793円で5,222円(3.0%)増、高校卒が165,126円で同2,013円(1.2%)増と、いずれも前年を上回った(図表4)。

2.来春の採用計画 ―‘今年並み以上’の採用計画ありが8割強―

 有効回答企業(130社)のうち2024年春の採用計画について回答があった128社の計画をみると、「採用する」とした企業は85.2%で、前年同期調査の計画(86.3%)比1.1ポイント低下とほぼ前年並みであった(図表5)。

 採用方針の内訳をみると、「今年より増やす」(37.5%)と「今年並みに採用」(43.8%)を合わせた‘今年並み以上’の採用計画を立てている企業の割合は81.3%と前年同期調査(131社のうち108社、82.4%)と同水準の8割にのぼり採用意欲は高いものとみられる。一方、「今年より減らす」(3.9%)と「今年は採用したが来年はしない」(4.7%)の採用数を減らす企業の割合は8.6%にとどまった。

 これを業種別にみると、‘今年並み以上’とする企業は、製造業で87.1%(前年同期調査84.9%)、非製造業も79.4%(同81.6%)と高い割合となっている。

 企業規模別にみると、大企業で「採用する」と回答したのは90.0%と前年同期調査(90.4%)と同水準で、いずれの企業も‘今年並み以上’の採用を見込んでいる。また、中小企業も「採用する」が84.2%と前年同期調査(85.4%)と同水準で、‘今年並み以上’が79.6%(同82.7%)となるなど、いずれも採用に意欲的な企業割合が高い(図表5、6)。

 コロナ禍が落ち着きを見せるなか、県内企業の採用意欲は総じて高いとみられる。ただし、計画通りの採用ができなかった企業も少なからずあることから、人材不足の状況は続いているものと考えられる。そのため、来春の採用計画についても、コロナ禍収束後の事業展開を見据えて必要な人材を確保しようという前向きの姿勢がうかがえる。

(2023.6.13 井上 翼)

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