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長崎経済研究所

本県の女性の労働力率

― 30~34歳・81.0%(2020年国勢調査)―

 従来、我が国では結婚や出産・育児などを機に、30歳代を中心として働く女性の割合が低下する「M字カーブ」と呼ばれる現象が顕著でしたが、最近、その現象の解消が進んでいます。

 2020年の国勢調査の結果から、本県の女性の労働力率をみると、30~34歳で81.0%(15年比プラス4.1ポイント)、35~39歳では82.2%(同プラス5.3ポイント)となり、30歳代の女性の労働力率が上昇していることがわかります(図表)。

 この結果、25~54歳の全ての年齢層(5歳刻み)で労働力率が8割を超えました。15歳以上の全体についてみても51.3%(同プラス2.9ポイント)となり5割を超えました。M字カーブの窪みの底についてみると、男女雇用機会均等法前の85年では51.1%(30~34歳)でしたが、20年は81.0%(同)と大幅に上昇しました。

 背景には、県内企業等が、女性にとって働きやすい職場となるように環境整備を進めてきたことが挙げられます。

 これは16年に女性活躍推進法が施行されるなど法整備が進められたことや、近年ではテレワークや時短勤務など、多様な働き方が浸透したことなどが要因として考えられます。

 さらに22年4月からは、男性も育児休業を取得しやすくなるように改正育児・介護休業法も段階的に施行されています。

 もっとも、働く女性の割合が上昇しても、アルバイトやパートといった非正規雇用で働く割合が男性よりも高いことから、収入面では見劣りする側面があります。そのため、待遇面も含めた女性が働きやすい環境整備に向けた取組みが期待されます。

(2022.7.26 泉 猛)

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