ながさき暮らしのデータBOX ~リサチャン★レポート~
インバウンド(訪日外国人旅行者)向けのモノやサービスの価格を高く設定する「二重価格」を検討する動きが見られるようになりました。そこで、今回はインバウンド向けの「二重価格」をテーマにリサーチしました。
調査方法 : 長崎県内に居住する18歳以上男女をモニターとするwebアンケートサイト「リサチャン」で実施。
【調査方法】長崎県内に居住する18歳以上男女をモニターとするwebアンケートサイト「リサチャン」で実施。 【調査期間】2024年7月25日(木)~7月31日(水) 【回答者数】375人 【年 齢 層】 30歳代以下 59人 40歳代 85人 50歳代 121人 60歳代以上110人 |
※グラフの構成比は、端数処理の関係で合計が100%にならない場合があります。
◆4割超がインバウンド向け「二重価格」を知っている
観光におけるインバウンド向けの「二重価格」について知っているかを尋ねたところ、4割超(42.9%)が「知っている」と回答しました。一方、「知らない」は26.9%でした。
◆約6割が「二重価格」の設定に賛成
次に、「二重価格」をどう思うか尋ねたところ、「賛成」と「どちらかと言えば賛成」が同率の29.6%となり、これらを合せた『(どちらかと言えば)賛成』は約6割(59.2%)に上り、二重価格の設定に賛成との意見でした。
一方、「反対」は4.3%、「どちらかと言えば反対」は8.8%となり、これらを合わせた『(どちらかと言えば)反対』は13.2%にとどまりました。
「わからない」は27.7%でした。
◆約半数が「二重価格」設定によるインバウンド消費への影響を懸念
さらに、インバウンドを対象とした二重価格の設定が、長崎県を訪れるインバウンド消費に影響があると思うか尋ねたところ、「大きな影響があると思う」が7.2%、「多少は影響があると思う」が40.0%で、これらを合わせた『(大きな、多少)影響がある』は約半数(47.2%)に上りました。インバウンド向けの価格設定が消費に影響してしまうことに対する懸念がうかがわれます。
一方、「あまり影響は無いと思う」は30.1%、「全く影響は無いと思う」は4.0%、「わからない」は18.7%でした。
◆海外旅行先で二重価格だったら「消費行動に影響する」が6割超
逆に、海外旅行先で「二重価格」のモノやサービスが提供された場合、消費行動に影響するか尋ねたところ、「大きな影響があると思う」が17.9%、「多少は影響があると思う」が44.8%となり、これらを合わせた『消費行動に影響すると思う』は6割超(62.7%)に上りました。
一方、「あまり影響しないと思う」が20.0%、「全く影響しないと思う」が2.4%となり、これらを合わせた『消費行動に影響しないと思う』は約2割(22.4%)にとどまりました。
◆自由コメント
【インバウンド向け「二重価格」設定についてひとこと】
○何でも二重価格を設定すればいいとは思わないが、訪日客への接客コストなどを考えると、設定
するのは良いことだと思う。(長与町、30歳代、男性)
○オーバーツーリズムに限らずインバウンドは、地域生活や住民に大きな負荷をかけている。相応
の負担を求める意味でも、価格に転嫁することが合理的。(長崎市、40歳代、男性)
○世界で二重価格は珍しくない。訪日外国人観光客が日本の物価を異様に安く感じるなら、二重価格でも十分対応可能だろうし、経済が潤えば県全体に好影響だろう。(長崎市、50歳代、男性)
○オーバーツーリズム問題があり、二重価格があることで、サービス提供する側もスムーズに出来ると思います。(諫早市、50歳代、女性)
○他国の観光地でも観光客が増えて二重価格を設定しているので良いと思います。(長崎市、60歳代、女性)
○過剰な高価格設定だと不満が生まれるので、価格設定には慎重にするべきだと思います。
(諫早市、30歳代、女性)
○外国からの旅行者と、それ以外の人の確認方法の確立が大事。(諫早市、30歳代、女性)
○「二重価格」について知らないので、いいのか悪いのかわからない。(長崎市、40歳代、男性)
○同一価格が望ましいと思う。(諫早市、50歳代、男性)
○価格はわかりやすくするのが一番。(長崎市、60歳代、男性)
(2024.8.9 泉 猛)