「女性活躍推進法」(2016年施行)は、その名の通り職場における女性の活躍を後押しする法律です。2022年4月から適用企業が拡大され、女性活躍を進めるための目標設定や具体的な取り組みが求められるようになりました。
そこで、今回は「女性の活躍推進」についてリサーチしました。
調査方法 : 長崎県内に居住する18歳以上男女をモニターとするwebアンケートサイト「リサチャン」で実施。 調査期間 : 2022年4月7日(木)~4月13日(水) 回答者数及び属性:384名 【性別】男性127名、女性253名、回答なし4名 【年齢】30歳代以下73名、40歳代90名、50歳代129名、60歳代以上92名 |
「女性活躍推進法」を知っているか尋ねたところ、「知らない」が33.3%で、「名称は聞いたことはあるが内容は知らない」の38.8%と合わせると7割超(72.1%)が「(内容は)知らない」と回答しています。
一方、「知っている」は10.7%で、「内容について多少知っている」(17.2%)と合わせても「(多少)知っている」は3割弱(27.9%)にとどまりました。
施行から6年が経過していますが、女性活躍推進法の認知度はまだ低いことがうかがえます。
これを男女別でみると、男性は「知っている」が20.5%で、「内容について多少知っている」の26.0%と合わせると5割弱(46.5%)が「(多少)知っている」と回答していますが、女性は「知っている」が僅か5.1%で、「内容について多少知っている」の13.0%と合わせても「(多少)知っている」は2割弱(18.1%)にとどまっています。
施行から6年経ちますが、女性が活躍できる場は広がったと思うか尋ねたところ、「広がったと思う」は僅か4.7%で、「多少、広がったと思う」の38.3%と合わせても「(多少)広がったと思う」と回答している人は、約4割(43.0%)です。
一方、「広がったとは思わない」は10.9%で、「あまり広がったとは思わない」(38.5%)と合わせると約5割(49.4%)が「(あまり)広がったとは思わない」と回答しています。
これを男女別でみると、男性は「広がったと思う」が8.7%で、「多少、広がったと思う」の44.9%と合わせると5割超(53.6%)が「(多少)広がったと思う」と回答していますが、女性自身は「広がったと思う」は僅か2.8%で、「多少、広がったと思う」の34.4%と合わせても「(多少)広がったと思う」と回答した人は、4割弱(37.2%)にとどまっています。
女性が社会で活躍していくために必要なことを複数回答で尋ねたところ、約8割が「家族の理解と協力」(79.4%)、「上司や同僚の理解と協力」(77.9%)、「育児や介護を支援する制度の拡大・充実」(77.1%)と回答しています。このほか「保育園、学童保育など保育施設の拡大・充実」(67.7%)、「女性自身の意識改革」(50.3%)、「在宅ワークなど働き方の多様性」(48.7%)についても約半数の人が必要なこととして回答しています。
女性の活躍を後押しする制度は徐々に整備されていますが、女性が生き生きと働く社会の実現には、まだまだ多くの課題に取り組んでいく必要があるがことがうかがえます。
その他:「社会全体の意識改革」「会社の意識改革」「男性の意識改革」など
〇女性だけが家庭を持った後のキャリアについて考えなければならないのは不平等。(佐世保市、20歳代、女性)
〇子育て=女性という考えがまだまだ根強い。子供の用事や体調で仕事を休んだりしやすい勤務体制を望む。(長崎市、40歳代、女性)
〇女性が活躍しているのを見たり知ったりできると、励みになる。嬉しい。(長崎市、40歳代、女性)
〇法律が拡充された割には、女性側の意識も変わっていない気もします。チャンスは確実に増えています、頑張りましょう!(長崎市、50歳代、男性)
〇日本でも女性総理大臣とかあったら面白いのにと話していました。日本ではまだ無理なのかな~(長崎市、50歳代、女性)
〇まだ女性は活躍できないと感じる。女性が家事をしないといけないと思うのは昭和生まれの考えかな。平成生まれの息子、娘たちはこだわりなく家事すると思う。子育てはみんなでというのがいいのかな。(長崎市、50歳代、女性)
〇私としては母親として家庭を守ることに全力を尽くしてほしい。それこそが社会での活躍です。(長崎市、60歳代、男性)
〇女性自身も意識を変える必要があると思います。そのためにも、小さい頃からの教育が大切だと思います。(長崎市、60歳代、女性)
〇私は地方公務員として管理職を経験後、定年退職→再就職3年間管理職として勤務した者です。女性が定年前の早期退職者が多い中で、後輩へのレール敷設の思いが、定年まで続いた支えでした。現在は、後輩たちが頑張っている様子に「大丈夫、大丈夫」とエールを送っております。(島原市、70歳以上、女性)
〇まだまだ活躍し続けるには障害がある印象です。家事育児は女性主体のイメージは多く、そう認識しているパートナーや周囲によって仕事・家事・育児が重くのしかかり女性だけが負担が大きい状況が今もなお多いです。性別による役割分担への意識改革がもっと必要ですし、家庭内で協力し合える関係を築いて行くことが必要です。(諫早市、30歳代、女性)
〇男女平等と謳いつつまだまだ地位も賃金も格差があり過ぎる。家庭と仕事を両立しながら活躍している女性は大変だと思うし地域でも応援してもっと働きやすい環境を整えてあげたら、長く勤務でき活躍の場も増えるだろう。活躍したくても出来なかった人を何人も見てきたので令和は大きく変わってくれるのを願っている。(諫早市、60歳代、女性)
〇「活躍」とは、どういう意味を指すのかにもよりますが…男性、女性、老若男女、みんながみんな、男女分け隔てなく働くことに対する理解が必要。女性だけ取り上げられていること自体が、日本の意識の遅れを感じる。男性でも、女性でもいろいろな人がいる、その人たちと助け合って社会生活を送ろうという、もっと広い視野が欲しいと思う。(西海市、30歳代、女性)
〇男性、女性に関係なく、能力のある人が適材適所で能力を発揮できることは、とても良い事だと思います。意識して、女性を活躍させようとしなくても、能力のある人を活躍させる事ができれば、能力のある女性は自然と活躍する事になると思います。(西海市、60歳代、女性)
〇性別に関係なく能力ある人が活躍するのは大切なことだが、最初から女性登用ありきで女性の役職者の人数や占率を決めるのは本末転倒だと思われる。(長与町、60歳代、男性)
〇わが長崎県では古来の認識が定着し、グローバル化やダイバーシティの意識は殆んど皆無で無関心である。各自治体の女性議員数の少なさからも顕著だ。(長崎市、70歳以上、男性)
〇地方の小企業で形ばかりの女性抜擢人事をやっても、その実何も変革が行われない。(佐世保市、50歳代、女性)
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