~長崎県民アンケート・リサチャン★レポート~
世界的な半導体の需要の高まりを受け、長崎県内でも関連産業の進出や工場増設が進んでいます。今回は、そんな半導体関連産業(※)について尋ねました。
※半導体の設計、製造、メンテナンスなども含めて幅広く考えていただきました。
| 調査方法:長崎県内に居住する18歳以上の男女をモニターとするwebアンケートサイト「長崎県民アンケート・リサチャン」で実施。 調査期間:2026年10月1日(木)~10月7日(水) 回答者数及び属性:390人 【年齢】30歳代以下50人、40歳代89人、50歳代115人、60歳代以上136人 |
※グラフの構成比は、端数処理により合計が100%にならない場合があります。
◆ 身近に感じている人が4割、そうでない人が6割
半導体関連産業を身近なものと感じるか尋ねたところ、「はい」(41.0%)が4割、「いいえ」(59.0%)が6割となりました。
年代別にみて大きな違いはありませんが、性別にみると、「はい」の割合は男性(49.4%)が女性(34.8%)よりも10ポイント以上高くなっています。
*参考:居住地別にみると、回答数に偏りがあるのであくまでも参考としてですが、「はい」の回答割合は、関連産業が集積している諫早市(61.3%)や大村市(47.4%)の方が長崎市(36.1%)よりも高くなっています。

◆ 半導体や関連産業の事業内容について、 ‘知っている’ と ‘知らない’ がほぼ同数
半導体が何に使われているか、半導体関連産業の事業内容がどのようなものか知っているか尋ねたところ、「よく知っている」(8.7%)と「まあ知っている」(44.6%)を合わせると5割強が ‘知っている’ (53.3%)と答えています。一方、「まったく知らない」(7.2%)と「あまり知らない」(39.5%)を合わせた ‘知らない’ (46.7%)が5割弱となっています。ほぼ半々といったところです。
年代別にみると、 ‘知っている’ 割合が40歳代(40.4%)だけ他の年代より極端に低くなっています。
性別にみると、‘知っている’の回答割合は男性(76.3%)が女性(37.5%)を大幅に上回っています。


◆ 半導体関連産業のイメージは、「高度な技術」、「緻密な作業」、「時代の先端」
半導体関連産業にどのようなイメージを持っているか尋ねたところ(複数回答)、最も多かったのは「高度な技術」(74.6%)で7割を超えました。次いで、「緻密な作業」(58.7%)と「時代の先端」(52.6%)が5割を超えています。その他に、「クリーンルーム」(37.7%)、「グローバルな競争」(32.6%)、「ロボット」(30.5%)、「工業用水」(30.5%)、「企業誘致」(30.5%)が3割を超えました。

◆ 長崎県が九州有数の半導体拠点であることを ‘知っていた’ のは4割
長崎は、約80社が半導体関連産業に関わっていて、2022年の製造品出荷額は約3,200億円規模に達するなど(※)、熊本に次ぐ九州有数の半導体拠点です。そのことを知っていたか尋ねたところ、 ‘知っていた’ は4割(「よく知っていた:7.7%」+「なんとなく知っていた:32.6%」=40.3%)にとどまり、6割は「知らなかった」(59.7%)と答えています。自由意見(後述)にも、知らなかったというコメントが寄せられました。
年代別にみて大きな違いはありませんが、性別にみると、 ‘知っていた’ 割合は男性(61.9%)が6割を超え、女性(24.5%)を大幅に上回っています。
※新聞報道では約90社。2024年経済構造実態調査によると2023年の製造品出荷額は約3,400億円規模に増えています。


◆ 半導体関連産業の生産額が造船や一般機械より多いことを ‘知っていた’ のは3割
「令和5年度長崎県県民経済計算」によると、ここ数年、「電子部品・デバイス製造業」(半導体関連など)の総生産額(名目)は、「輸送用機械」(造船など)や「はん用・生産用・業務用機械」(一般機械)を上回っています。そのことを知っていたか尋ねたところ、「よく知っていた」(6.9%)は1割弱で、「なんとなく知っていた」(24.4%)を合わせても ‘知っていた’ (31.3%)は3割にとどまっています。つまり、7割近くの人は「知らなかった」(68.7%)ということです。自由意見(後述)にもそのようなコメントが寄せられました。
‘知っていた’ の割合は、年代が上がるほど大きく、男性(47.5%)が女性(20.6%)の倍以上になっています。



◆ 半導体関連産業のことを広く知ってもらうには「行政による情報の発信」
半導体関連産業の事業内容や、長崎県にとって重要な産業であることを広く知ってもらうにはどうしたらいいと思うか尋ねたところ(複数回答)、最も多かったのは「行政による情報の発信」(55.6%)で半数を超えました。以下、多い順に「高校・高専・大学における教育」(47.9%)、「企業による情報の発信」(46.4%)、「地域・市民に対する情報発信」(43.3%)などとなっています。その他の項目も含めていずれも相応の回答割合となっていることから、情報発信にしても教育にしても幅広い取組みが求められているようです。

◆ 半導体関連産業の進出や工場増設に期待することは「雇用の創出」
半導体関連産業の進出や工場増設に期待することを尋ねたところ(複数回答)、最も多かったのは「雇用の創出」(82.6%)で8割を超えました。次に多いのは「人材流出の歯止め」(61.0%)で、以下、「地域への経済効果」(49.2%)、「移住者の増加」(38.5%)などとなっています。このことから、‘雇用’ や‘人口増(ないし減少抑制)’ に関する期待が大きいようです。
また、「関連する地元企業の技術力の向上」(36.7%)、「半導体関連産業の認知度の向上」(25.4%)、「関連産業の集積」(24.1%)といった産業振興の面でも期待されています。

◆ 自由意見
半導体関連産業についてのイメージや最近の企業進出・工場増設などについて、いろいろな声が寄せられました。
○県央地区への半導体はじめ電子部品関連企業の集積は、雇用の増加や地域の経済効果にいい影響を与えていると思います。今後も、企業と従業員・地域の間にウィンウィンの関係が築けたらいいと思います。(長崎市、50歳代、男性)
○半導体関連技術は今後の経済発展には不可欠。地震等自然災害が他の自治体より少ない本県は企業から見ても魅力的ではないか。一方で水事情がネックとなるのでそこが喫緊の課題だと思う。(佐世保市、60歳代、女性)
○工場となると、雇用について、本当に腰を据えて安定した雇用をされている人より、派遣や契約社員など、不安定な雇用形態の人が多いのかなという印象です。(長崎市、50歳代、女性)
○熊本出身なので地元が半導体産業に浮かれているのを知っています。新たな雇用創出など良い面もありますが、熊本では元からあった産業が下火になっていることが隠れてしまっていると感じます。なので、新たな産業が生まれることで他の産業もその効果が最大限波及するような仕組みが必要だと考えます。(長崎市、10歳代、男性)
○水を大量に使うので、行政は企業誘致と共に、地域の水源確保、地盤沈下対策、それに伴う水田の保全を十分に行うべき。(長崎市、30歳代、女性)
○半導体企業誘致が盛んに行われていますが、メリットデメリットをちゃんと理解出来るように県民にきちんと情報発信して欲しいと思います。(諫早市、50歳代、女性)
○熊本が半導体王国とのイメージが強い。長崎が追随する存在であることは、知らない人が多いのではと思う。マスメディアや広報紙を通してなど色々の媒体を通して、県民に周知する事で関心を高めてほしい。(長崎市、60歳代、女性)
○長崎が熊本に次ぐ有数の地だとは知らなかった。若い世代に将来の選択肢にしてくれるよう、新聞やテレビでPRした方がいいと思う。親世代などはやっぱりテレビや新聞の世代だから。親が勧めることも少なくないと思う。(長崎市、50歳代、男性)
○半導体関連産業が県内のどのエリアでどれくらい雇用に貢献してるか等地域産業としての貢献度合いを具体的な数字で公表してほしい。(長崎市、60歳代、男性)
○半導体が自動車、スマホ、パソコン、産業機器の自動化等に使われていると思うけど、長崎県の半導体製造会社がそれぞれどの様な分野の半導体製品を造っているのかを詳しく知りたいです!(長崎市、70歳代、男性)
○長崎県は地理的には不利な位置にあるが、優秀な人材が確保しやすい、相対的には低賃金であることなどが企業進出の要因なのだろうと思う。これまでの重厚長大産業に替わって地域経済のかなめとなることを期待する。(長与町、70歳代、男性)
(2026.10.20 宮崎 繁樹)