~長崎県民アンケート・リサチャン★レポート~
長崎県は平地が少なく、急峻な地形のため自転車の保有率は全国最下位[注1]で、日常生活で自転車を利用する機会は少ないのかもしれません。
こうしたなか、2026年4月から、16歳以上を対象に反則金を科す「青切符制度」が導入され、自転車の交通ルール違反に対する取り締まりが強化されました。逆走や信号無視、ながらスマホなどに指導・警告、および反則金が科されるようになり、一層のルール遵守が求められています。
そこで今回は、この自転車の「青切符制度」について、皆さまのお考えをお尋ねしました。
〔注1〕(一財)自転車産業振興協会が2021年度に行った調査では、長崎県の自転車世帯保有率は全国最下位の29.3%でした。これは全国平均(57.6%)の半分程度となっています。
| 調査方法:長崎県内に居住する18歳以上男女をモニターとするwebアンケートサイト「長崎県民アンケート・リサチャン」で実施 調査期間:2026年4月21日(火)~ 4月27日(月) 回答者数及び属性:395人 【年齢層】 30歳代以下58人、40歳代89人、50歳代119人、60歳代以上129人 |
※グラフの構成比は、端数処理の関係で合計が100%にならない場合があります。
◆自転車利用率はわずか5% ー「持っていない・乗らない」層が9割
はじめに、普段、自転車を利用しているか尋ねたところ、「利用していない/持っていない」が78.5%、「ほとんど利用していない」が16.5%となり、これらを合わせると9割以上(95%)に達しました。
反面、「ほぼ毎日利用している」と「週に数回~月に数回利用している」はともに2.5%にとどまっています。
坂の多い本県において、自転車は主な移動手段となっていないことが分かります。

◆自転車への「青切符制度」導入について「導入されたことは知っているが、詳しくは知らない」が約3/4を占める
自転車を利用している人の割合が低いなか、自転車への青切符制度導入を知っているかどうか尋ねたところ、「導入されたことは知っているが、詳しくは知らない」(75.4%)と「聞いたことはある」(6.1%)を合わせると、「導入について知っている。聞いたことはあるが詳細は知らない」との回答が8割超を占めました。
一方、「反則金の金額や対象違反を含め、詳しく知っている」は16.7%、「知らなかった」は1.8%でした。

◆自転車への「青切符制度」導入は、テレビ・新聞で知ったが約9割
青切符制度導入を知らなかった人以外に同制度導入をどこで知ったかを複数回答で尋ねたところ、「テレビ・新聞」が88.9%と最多となりました。以下、「ネットニュース」(41.2%)、「SNS(X、Instagram、LINEなど)」(15.2%)と続き、これらメディア経由の認知が主流となっています。
一方、「県や市の広報・ポスター」(7.2%)、「学校や職場」(4.6%)による認知は1割未満となりました。
このように、本県では自転車を利用している人は少ないものの、青切符制度への関心は高く、マスメディアやインターネットを通じて広く認知されているようです。

◆自転車への青切符制度導入によって、事故が減ることへの期待や悪質な運転の抑止力向上を期待する声が6割超
さらに、自転車への青切符制度導入を、どう思うかについて複数回答で尋ねたところ、「交通マナーが向上し、事故が減ることを期待している」(65.1%)と、「逆走やスマホ操作など、悪質な運転の抑止力になる」(62.3%)がともに6割を超えました。一方、「県内の道路や標識など、環境の整備をしてほしい」(35.9%)、「どのような行為が違反かわかりにくく不安」(28.9%)などの声もあがっています。
このことから、制度の導入に対し「マナー向上」や「事故抑止」への期待が6割を超える一方で、約3割が「環境整備の促進」や「違反基準の不明瞭さ」を感じていることから、制度の内容等について丁寧な周知が求められます。

◆青切符制度導入による行動の変化について、導入を機に約8割が行動変化を予感
青切符制度の導入をきっかけに、行動の変化があると思うかを複数回答で尋ねたところ、「車や歩行者として、より自転車の動きに注意する」が49.9%と最多となりました。以下、「左側通行や一時停止をより徹底する」(40.5%)、「安全のためヘルメットの着用・常時灯火を心がける」(35.7%)、「家族や知人にもルールを守るように声をかける」(21.5%)の順となりました。一方、「特に変わらない」は18.0%でした。

◆制度の導入前比で、7割近くが「車道を走行する自転車を追い越す時」に注意する
車を運転する人に、自転車への「青切符制度」導入以前と比べて、注意する点や準備などは何かを複数回答で尋ねたところ、「車道を走行する自転車を追い越す時の注意」が67.8%で最多となりました。これに「自転車の不自然な急減速や進路変更への注意」(56.7%)と「左折時に直進してくる自転車の巻き込みへの注意」(54.9%)がいずれも半数超を占めました。
この結果から、ドライバー側も「自転車の動きがこれまで以上に変化する可能性」を強く意識し、警戒を強めている様子がうかがえます。

◆ドライバーに安全情報の提供が必要なことは「自転車を追い越す際の注意点」が2/3超
車を運転する場合、自転車への青切符制度に合わせて、ドライバーにどのような安全情報の提供が必要だと思うかを複数回答で尋ねたところ、「自転車を追い越す際の注意点」が66.8%と2/3を超え、最多となりました。また、「16歳未満(青切符対象外)の子どもや高齢者の自転車に対する特別な注意喚起」(52.9%)と「自転車の減速が徹底される場所(交差点やトンネル等)の周知」(51.1%)も半数を超えたほか、「長崎特有の坂道や路面電車付近での具体的な事故事例の紹介」が39.5%、「自転車との事故防止シミュレーション動画による注意喚起」が27.3%といった具体的な情報提供を求める声も上がりました。
これらの結果から、新制度への対応として、ルールだけでなく現場での具体的な回避方法や本県特有の交通事情に即した注意喚起も求められていることが分かります。

◆制度の導入を契機に7割超が「自転車を追い越す際の十分な側方間隔に注意」
車を運転する人に、青切符制度のスタートをきっかけに、どのような運転を心掛けるか複数回答で尋ねたところ、「自転車を追い越す際の十分な側方間隔」が71.6%と最多となりました。以下、「交差点や見通しの悪い角で、自転車の飛び出しを想定して運転する」(50.1%)、「自転車とすれ違う際、徐行・一時停止をする」(49.1%)、「左折時、ミラーだけでなく、目視による後方確認を行う」(47.1%)、「視界が悪い時は自転車の存在を意識し速度を落とす」(40.0%)と続きました。
制度の導入は、自転車側だけでなく、ドライバ―にとっても「先を予測する運転」や「安全運転の励行」を再確認する機会となっていることがうかがえます。

◆自由コメント
【自転車の「青切符制度」についてひとこと】
自由コメントには、「マナー向上と事故抑止」への高い期待がある一方、長崎特有の複雑な道路事情や、制度の細部が浸透していないことへの不安のコメントが寄せられました。また、自転車の利用率の低さゆえの制度への関心の希薄化を防ぎつつ、自転車利用者・歩行者双方が納得できる「具体的かつ丁寧な周知」と「環境整備」が、制度定着のカギとなるものと見られます。
〇自分の地域では自転車に乗っている人は少ないので、あまり生活に影響はなさそうですが、危険運転がなくなれば嬉しいです。(長崎市、30歳代、女性)
〇自転車を運転するすべての人々へ安全で思いやりのある交通マナーを! (佐世保市、30歳代、女性)
〇自転車で通勤していますが、ちょっとしたことで違反にならないか心配です。(島原市、30歳代、男性)
〇わかりにくい部分も多く長崎は特に自転車に乗らない人も多くいるので、制度を知らない人もいるのではと思います。(長崎市、40歳代、女性)
〇一般的には周知が足りないと思います。自転車を運転する人向けの講習会などで認識を深めなければならないと思います。(長崎市、50歳代、男性)
〇警察、行政が青切符制度について広く浸透するよう広報活動を徹底して欲しい。(諫早市、50歳代、男性)
〇自転車を運転する人のマナーが良くなること、良くしようと努める点において、青切符制度の導入は意味があると思う。(川棚市、50歳代、女性)
〇長崎市は特に道が狭くカーブも多いので、自転車に乗られる方は、これを機により慎重な運転をお願いしたいです。(長崎市、60歳代、女性)
〇自転車の運転マナーが良くなることを期待します。(南島原市、60歳代、女性)
(2026.5.19 泉 猛)