~長崎県民アンケート・リサチャン★レポート~
企業が従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する「健康経営」をご存知でしょうか?企業が従業員等への健康投資を行うことは、従業員の士気高揚や生産性の向上等につながると期待されています。今回は働く人の健康についてお尋ねしました。
調査方法:長崎県内に居住する18歳以上の男女をモニターとするwebアンケートサイト
「長崎県民アンケート・リサチャン」で実施。
調査期間:2026年8月18日(火)~8月24日(月)
回答者数及び属性:436人
【年齢】30歳代以下56人、40歳代92人、50歳代140人、60歳代以上148人
※グラフの構成比は、端数処理の関係で合計が100%にならない場合があります。
◆「健康経営」、認知度はまだ高くない
「健康経営」という言葉についてその認知度を尋ねたところ、「内容まで知っている」と回答した人は7.8%、「言葉は知っている」は14.4%、「聞いたことはある」は11.2%となりました。一方、「知らない」は66.5%と、全体の3分の2を占めています。
年代別にみると、「知らない」は30歳代以下で73.2%、以下40歳代70.7%、50歳代60.0%、60歳代以上67.6%といずれも6割以上となりました。なお、50歳代では「内容まで知っている」が11.4%と、他の年代より高くなっています。性別では「内容まで知っている」と「言葉は知っている」を合わせた割合が、男性では36.2%、女性では12.7%となり、男性の方が高くなっています。


【解説】健康経営とは
従業員の健康を会社の財産ととらえ、会社の成長のために、従業員の健康づくりに積極的・戦略的に取り組むことです。長崎県と協会けんぽ長崎支部では、2016年から「健康経営」宣言事業を進めています。「健康経営」宣言を行うと、健康づくりの情報やツールの提供のほか、スポーツクラブの利用特典を受けることができます。
宣言企業では、例えば、定期的な運動の習慣づくりや禁煙への取組み、健康診断の受診促進などさまざまな取組みが行われています。(出典:全国健康保険協会長崎支部「『健康経営』宣言事業」関連資料から当社作成)
◆自分の健康状態は「ふつう」が半数超え
現在の健康状態を尋ねたところ、「ふつう」が55.5%と最も多くなりました。「(非常に)良い」は全体の約3割(「非常に良い」3.7%、「良い」25.5%)、一方「(非常に)悪い」は15.3%となりました(「非常に悪い」1.1%、「悪い」14.2%)。

◆改善したい生活習慣、「運動不足」が約7割でトップ
健康を維持するうえで改善したいと思っている生活習慣を尋ねたところ、「運動不足」が67.7%で最も多く、次いで「食生活」が50.7%、「睡眠不足」が38.8%、「ストレス」が37.6%となりました。
年代別では、「運動不足」は30歳代以下66.1%、40歳代71.7%、50歳代65.0%、60歳代以上68.2%と、すべての年代で6割を超えています。一方、「ストレス」は40歳代で53.3%と、他の年代を上回りました。また、「スマートフォン・ゲームなどの使い過ぎ」は30歳代以下で35.7%となるなど、年代による違いもみられます。
なお、喫煙状況については、「毎日吸っている」7.1%、「時々吸っている」1.6%で、現在喫煙している人は合わせて8.7%と全体の1割未満でした。



◆長く健康に働き続けられる職場にとって重要なもの、「良好な人間関係」がトップ
「長く健康に働き続けられる職場」と聞いて特に重要だと思うものを複数回答で尋ねたところ、「人間関係が良い」が79.4%で最も多く、次いで「心身の健康への配慮」59.2%、「給与・待遇」35.8%、「休暇を取得しやすい」32.3%となりました。「人間関係が良い」は約8割に達しており、次点の「心身の健康への配慮」を約20ポイント上回りました。多くの人が、長く健康に働くためには健康管理そのものに加えて、職場の人間関係が重要だと考えているようです。
年代別にみると、「人間関係が良い」は30歳代以下75.0%、40歳代78.3%、50歳代81.4%、60歳代以上79.7%と、すべての年代で7割を超えています。一方、「心身の健康への配慮」は30歳代以下37.5%に対して、40歳代58.7%、50歳代63.6%、60歳代以上63.5%となっており、年代が上がるにつれて高くなる傾向がみられました。また、「休暇を取得しやすい」や「育児・介護との両立支援」といった項目は年代が若いほど割合が高くなる傾向があるなど、年代によって重視する項目に違いがみられます。


◆企業や地域に対する期待、「働き方改革」や「費用補助」が上位
企業や地域に期待する健康への取組みについて複数回答で尋ねたところ、「働き方改革の推進」が68.8%で最も多く、次いで「外部検診(人間ドック)等の費用補助制度」が61.9%となりました。この2項目はいずれも6割を超えており、3位の「ストレスチェック・相談体制」33.5%、4位の「メンタルヘルス相談」27.1%を大きく上回っています。
年代別でみると、「働き方改革の推進」は30歳代以下73.2%、40歳代68.5%、50歳代67.1%、60歳代以上68.9%と、年代を問わず高い割合となりました。
一方、「外部検診(人間ドック)等の費用補助制度」は30歳代以下51.8%、40歳代46.7%に対して、50歳代69.3%、60歳代以上68.2%となっており、50歳代以上で特に高くなっています。


◆健康づくりは「健康向上」だけでなく「生産性の向上」「人材定着」にも効果を期待
企業が従業員の健康づくりに取り組むことの効果について複数回答で尋ねたところ、「働く人の健康が向上する」が75.5%で最も多く、次いで「生産性が向上する」が53.9%、「人材が定着しやすくなる」が53.4%となり、いずれも5割を超えています。「医療費の抑制につながる」も39.7%となりました。従業員の健康づくりに対する取組みは働く人の健康を良くするという直接的な効果だけでなく、生産性の向上や人材の定着といった企業活動に関わる分野おいても、半数を超える人が「効果がある」と肯定的な評価をしています。

◆自由コメント
〇会社の健康診断で病気が分かり、助かりました。小さい会社でも企業の負担が少なく受診できる仕組みは大事だと思う。(長崎市、40歳代、女性)
〇推し活の遠征に理解のある上司です。「それは行かんね!」と言ってくださるので、心の健康が保たれてその後の仕事を頑張ろうと思えます。(諫早市、30歳代、女性)
〇楽しい職場は、責任を1人に押し付けない職場。(長崎市、70歳以上、女性)
〇社員が健康であることが、結果的に会社の利益にも繋がると思うので、とてもいい取組みだと思います。(長与町、30歳代、男性)
〇各々のライフワークバランスを大事にし、休暇が取りやすい職場になってほしい。(大村市、30歳代、女性)
〇未だに昭和時代もどきの雇用環境をやむなく受け入れざるを得ない労働者もいます。行政が徹底的に対応しないと長崎県は取り残されるばかりです。(長与町、60歳代、男性)
〇体調が悪い時には快く協力できる仕事形態であることが、自分も仲間も働きやすいと思います。(南島原市、50歳代、女性)
〇固定概念にとらわれず、明るく癒されるオフィス空間を作ってほしい。不要な人間関係は強要しないでほしい。(佐世保市、40歳代、女性)
〇健康経営のことや取り組んでいる企業のアピールも少ないため認知度が低いのではないか。(長崎市、40歳代、男性)
〇取組みとか推進って職場で枠組みだけ作って、中身が伴っていないものが多いし、一番は、話しやすい、相談しやすい人間関係だと思う。(諫早市、40歳代、女性)
(2026.9.16 村田 聡)