― 2025年度の実績と計画(2025年11月調査)―
| 【調査要領】 1.調査対象:長崎県内主要企業367社 2.調査方法:WEBと郵送を併用してアンケートを実施 3.調査期間:2025年11月 4日~11月28日 4.調査事項:2024年度設備投資実績、2025年度の投資実績と計画およびその内容(投資金額、前年度比増減理由、投資目的など) 5.回答企業数:製造業41社、非製造業135社、合計176社(回答率48.0%) (有効回答企業数は製造業35社、非製造業106社、合計141社、有効回答率38.4%) 注:有効回答企業とは、2024年度実績と2025年度計画(調査時点までに実施済み分を含む)を比較することが可能で、かつ2025年度の 投資方針(「実施する」もしくは 「実施しない」)が確定している企業をいう。「未定」企業は対象から除外。 |
| 概要 ○回答企業176社中、2025年度の投資「未定」先は19.9%で、前年同期(19.1%)比同程度。 ○有効回答141社中、投資を計画する企業は68.1%。前年同期(71.5%)比3.4ポイント減となり、製造・非製造業とも減少。 ○設備投資実施企業96社の投資総額は434億円、前年度実績比25.0%増。製造・非製造業とも増加。 ○大・中小企業とも投資額が増加しているなか、中小企業の製造業は減少。 ○前年比投資額増加企業(50社)の理由は、「既存設備の老朽化」がトップ、次いで「競争力の維持・強化」。前年比投資額 減少企業(41社)の理由は「投資の一巡」が最も多い。 ○投資目的(金額ベース)は、「機械設備の維持更新」が中心。一方、大企業の非製造業では、攻めの投資「増産・拡販」の割合が比較的高い。 |
1.設備投資計画企業 -製造・非製造業ともに減少-
回答企業176社のうち、2025年度の投資計画が「未定」の先は19.9%と、前年同期(19.1%)とほぼ同水準。
有効回答先141社のうち、設備投資を計画(実施済を含む。以下同じ)する企業は96社。その構成比は68.1%で、前年同期調査の割合(71.5%)を3.4ポイント下回った。これを製造・非製造業別でみると、製造業の投資計画企業は22社、構成比62.9%(前年調査:71.4%)、非製造業は同74社、構成比69.8%(同71.6%)であった。
投資計画企業数は、製造業が前年同期比△3社の22社(前年調査:25社)、非製造業は△4社の74社(同78社)と、ともに前年同期を下回った。また、投資計画企業96社のうち、前年度も実施した先は90先(93.8%)と、概ね前年調査(91.3%)並み(図表1)。

2.設備投資計画額 -前年度実績を上回る水準 -
回答企業の投資計画額をみると、96社の投資総額は434億円と、それら企業の前年度の投資実績総額347億円を25.0%上回っている(図表1)。
(1)製造業・非製造業ともに増加
製造業・非製造業別では、製造業が160億円と、前年度実績128億円を24.8%上回っており、非製造業も計画額274億円と、前年度実績219億円を25.1%上回った。
業種別にみると、土地の取得費用などから建設が227.3%の大幅増となる一方、食料品が31.2%減、運輸も22.6%減であった(図表1)。
(2)大企業、中小企業ともに増加
企業規模別にみると、大企業では前年度実績比23.6%の増加となっており、うち製造業で36.2%増、非製造業では7.5%増と、いずれも増加計画。
他方、中小企業も前年度実績比で26.4%増となり、非製造業は34.0%増となっているものの、製造業は5.2%減少する計画となっている(図表1)。
3.投資額の増減理由<複数回答>
(1)増加理由 ー「既存設備の老朽化」が圧倒的。次いで「競争力の維持・強化」ー
2025 年度投資計画額が、前年度実績に比べて増加する企業(50社)にその理由(複数回答)を尋ねると、「既存設備の老朽化」が68.0%と他を大きく引き離してトップ。次点は「競争力の維持・強化」の44.0%であった(図表2)。

(2)減少理由 -「投資の一巡」が最多-
一方、2025 年度の投資計画額が、前年度実績に比べて減少する企業(41社)にその理由(複数回答)を尋ねると、「投資の一巡」が48.8%と最も多く、以下「需要の低迷又は悪化」19.5%、「内部資金の逼迫」17.1%であった(図表3)。

4.設備投資の目的 -大企業、中小企業ともに機械設備の維持・更新が最も多く3割超-
2025年度設備投資計画の目的を金額ベースの構成比でみると、全産業「機械設備の維持更新」が35.5%でトップ。次点は「増産・拡販」の16.7%。
企業規模別では、「増産・拡販」と「新規事業・新製品開発」における割合が、それぞれ大企業の26.2%と17.8%に対し、中小企業は8.2%と1.1%と、比較的差が大きくなっている。
このうち、大企業の非製造業で「増産・拡販」が50.4%と他項目比最も高く、 積極的な投資が行われている(図表4)。

投資を計画する企業は前年調査比減少したものの、その投資額は製造・非製造とも増加した。大企業の非製造業では「増産・拡販」が増加するなど、積極的な姿勢もうかがわれる。
2025.12.12 杉本 士郎