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長崎経済研究所

景況感、緩やかに持ち直し ー物価上昇が懸念材料ー
  ~第 129 回 県内企業景況調査(速報)~


■ 調 査 対 象:県内主要企業 374 社(回答企業数 251 社、回答率 67.1%)
■ 調 査 方 法:WEB と郵送を併用しアンケートを実施
■ 調 査 期 間:2022 年 7 月 28 日~ 8 月 31 日
■ 業種別内訳:製造業 64 社、非製造業 187 社
※BSI について:BSI は回答企業の「好転・増加・上昇」とする企業割合から「悪化・減少・下落」とする企業割合を差し引いた指標。


概況
○全産業の業況判断 BSI をみると、2022 年 4 ~ 6 月期実績は 0 となり、前期(△ 12)から回復。足もと7 ~ 9 月期(実績見込み)は、新型コロナ第 7 波(注1)の影響や、原材料・資材価格の高止まりに、円安による輸入物価の上昇が加わり BSI は△ 5 と悪化。先行き 10 ~ 12 月期については、新型コロナの落ち着きや西九州新幹線の開業効果への期待などから△ 2 と幾分持ち直す見通し。
○経営上の問題点(3 つ以内の複数回答、全産業計)は、「仕入商品又は原材料価格の値上がり」が 65.7%とトップ。これに「人材不足」が 45.3%、「売上・受注の不振」が 40.0%、で続く。
 (注1)長崎県内での新型コロナ感染確認者数は、2022 年 8 月 18 日に 4,610 人と過去最多となった。


1.業況判断

全産業の業況判断 BSI をみると、2022 年 4 ~6 月期実績は 0 となり、前期(△ 12)から回復。足もと 7 ~ 9 月期(実績見込み)は、新型コロナ第 7 波の影響や、原材料・資材価格の高止まりに、円安による輸入物価の上昇が加わりBSI は△ 5 へと悪化するものの、10 ~12月期先行きについては、コロナの落ち着きや西九州新幹線の開業効果への期待などから△ 2 となり、幾分持ち直す見通し。

(1)製造業
 製造業の業況判断 BSI は、22 年 4 ~ 6 月期実績が前期(△ 8)から16 ポイント上昇の 8 まで上昇した。もっとも、7 ~ 9 月期は 0、10 ~ 12 月期も1と低下しており、円安による輸入物価の一段の上昇懸念が強く、回復の足取りは一進一退の見通し。
 このうち電気機械は、半導体や部材等の調達難など供給制約の影響を受けるなか、価格高騰分を製品価格に転嫁し、BSI は 7 ~ 9 月期、10~ 12 月期はともに 33 と好調が続く見通し。
 食料品は、修学旅行生が戻るなど観光需要の回復傾向を受けて、BSI は 7 ~ 9 月期 11とプラス圏となったが、エネルギーや原材料の価格高止まりによる一層のコスト増もあって、先行き10 ~12 月期については 0 まで低下の見通し。

(2)非製造業
 非製造業の業況判断 BSI は、22 年 4 ~ 6 月期実績が前期(△ 13)を上回る△ 2 となった。新型コロナ第 7 波の影響を受け 7 ~ 9 月期実績見込みは△ 7とやや低下も、先行き10 ~ 12 月期は△ 3 となり持ち直す見通し。
 このうち小売業では、コロナの状況次第ながら客足の回復期待から、4 ~ 6 月期△ 32、7 ~ 9月期は△ 24、10 ~ 12 月期も△ 4 と持ち直す見通し。こうしたなか、外商の営業力強化や、生鮮食品での簡便商品の提案、価格ではなく付加価値をアピールするなど営業力強化の動きがみられる。
 サービス業では、4 ~ 6 月期実績 3 から、足もと 7 ~ 9 月期 9 へ回復したが、先行き10 ~ 12月期は、燃料費や電気代などの高騰に加え、10月以降の最低賃金の引上げの影響から△ 3 と悪化の見通し。

2.雇用人員、仕入・販売価格

 全産業の雇用人員の BSI をみると、足もと 7~ 9 月期△ 33、先行きも 10 ~ 12 月期△ 34 と、大幅マイナス(人員不足)の見通し。
 全産業の仕入価格の BSI は、燃油費や資材・原材料費が高騰したことから、7 ~ 9 月期 68、10 ~ 12 月期 63 と大幅なプラス(上昇 > 低下)が続く。
 一方、全産業の販売価格の BSI は、足もと・先行きともに 28 と、仕入価格上昇分を販売価格に転嫁する動きが見られる。ただし、十分な転嫁はできていないことなどから、採算 BSI は7 ~ 9 月期△ 20、10 ~ 12 月期△ 17 と、依然厳しい収益環境が続く見通し。

3.経営上の問題点

 経営上の問題点(3 つ以内の複数回答、全産業計)は、「仕入商品又は原材料価格の値上がり」が65.7%でトップ。次いで前回第 3 位だった「人材不足」が 45.3%で 2 位。3 位は「売上・受注の不振」で前回の 49.8%から 40.0%に下がった。
 そのほかでは、「人材不足」、「設備の老朽化」、「賃金の上昇」(注 2)などが前回を上回った。
 回答企業からは、「物価は上昇しているが、景気は好調とはいえず、コスト高に対応することが難しい」(一般機械)、「原材料費の高騰により仕入価格の上昇が続いており取引先に商品値上げの対応を行った」(陶磁器)、「賃金アップと原価・販管費の高騰を克服するために売上高アップが課題」(旅館・その他宿泊所)などのコメントが寄せられた。
 (注 2)長崎県の最低賃金は、821 円から 32 円引上げられ 853 円に改定された。引上げ幅は過去最大。2022 年 10 月 8 日より適用。

■経営上の問題点 (3つ以内 複数回答)

(2022.9.9 泉 猛)

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