~第143回 県内企業景況調査~
当研究所では、県内の景気動向を探るため四半期毎に県内企業景況調査を行っています。このほど、2026 年2月に実施した調査結果を以下のとおりまとめました。
ご多用のなかご回答頂きました皆様に厚くお礼申し上げます。
【調査要領】
1.調査目的:県内企業の業況と経営動向の把握および県内景況判断資料の作成
2.調査対象:県内主要企業366社(回答企業数223社、回答率60.9%)
3.調査方法:WEB と郵送を併用
4.調査期間:2026年1月26日~2月27日
5.調査対象期間:2025 年10~12月期 実 績(前年同期比)
2026 年1~3月期 実績見込み(前年同期比)
2026 年4~6月期 見 通 し(前年同期比)
6.調査事項
(1)業況判断 (2)売上高 (3)受注残高 (4)在庫水準
(5)操業度・稼働率 (6)雇用人員 (7)販売価格 (8)仕入価格
(9)採算(経常利益) (10)資金繰り (11)経営上の問題点
7.回答企業属性

概況
〇全産業の業況判断BSIは、原材料価格の高止まりや人手不足などを背景に、2025年10~12月期のプラス1から2026年1~3月期は△5へ悪化見込みとなり、先行き4~6月期も△6と、県内企業の景況感は弱含みで推移する見通し。製造業は足もとでやや低下するものの、先行きは受注環境の改善を背景に回復する見通し。一方、非製造業は運輸業やサービス業を中心に低調な状況が続く。
〇経営上の問題点(3つ以内の複数回答、全産業計)は、「仕入商品又は原材料価格の値上がり」が54.8%でトップとなり、前回調査(2025年11月)比1.6ポイント増加した。これに「人材不足」(51.1%)と「賃金の上昇」(41.6%)がともに前回調査並み(前回調査:51.4%、41.7%)で続いている。
1.業況判断

全産業の業況判断BSIをみると、原材料価格の高止まりや人手不足などを背景に、2025年10~12月期のプラス1から2026年1~3月期は△5へ悪化見込みとなり、先行き4~6月期も△6と、県内企業の景況感は弱含みで推移する見通し。


(1)製造業
製造業の業況判断BSIは、25年10~12月期のプラス6から、原材料やエネルギー価格の高騰、人件費の増加への懸念などから、足もと26年1~3月期はプラス2へ低下する見込み。一方、先行き26年4~6月期は、好調な受注環境などからプラス12と上昇する見通し。
このうち一般機械のBSIは、原材料価格等の上昇懸念に加え、深刻な人材不足から25年10~12月期実績、足もと26年1~3月期見込みともに△11と横這い推移。もっとも、先行き26年4~6月期は、堅調な受注環境を受けて0と持ち直す見通し。食料品は、25年10~12月期のプラス42から、原材料や資材、エネルギー価格の上昇に加え、最低賃金の上昇などから、足もと26年1~3月期はプラス25と大きく低下し、先行き4~6月期も同じくプラス25と横這い推移の見通し。

(2)非製造業
非製造業の業況判断BSIは、25年10~12月期の実績0から、足もと26年1~3月期は△8と低下見込みとなり、先行き4~6月期も△11と、厳しい収益環境が続く見通し。
このうち、運輸業は25年10~12月期実績0から、足もと26年1~3月期△3、先行き4~6月期△6と、燃料価格の高止まりや最低賃金の上昇などからBSIは低下傾向。また、サービス業は、25年10~12月期のプラス3から、足もと26年1~3月期は△7と低下見込みとなり、先行き4~6月期も同じく△7と横這い推移の見通し。


2.雇用人員、仕入・販売価格、採算
全産業の雇用人員のBSIをみると、足もと26年1~3月期の見込みが△46、先行き4~6月期の見通しも△45と、大幅マイナス(人員不足)が続く。
全産業の仕入価格のBSIは、資材・原材料費の高騰から、25年10~12月期実績プラス44、足もと26年1~3月期プラス48、先行き4~6月期プラス50と高止まり。一方、全産業の販売価格のBSIは、25年10~12月期実績プラス24から、足もと26年1~3月期プラス30と上昇するも、先行き4~6月期は、プラス27と低下見通し。全産業の採算BSIは、足もと26年1~3月期△15と低下見込みとなり、先行き4~6月期も△14と厳しい収益環境が続く見通し。これを業種別に見ると、製造業は、好調な受注環境などから、実績0、足もと0、先行きプラス7と持ち直す見通しとなる一方、非製造業は厳しい収益環境(実績△11、足もと△20、先行き△20)が続く。
3.経営上の問題点
経営上の問題点(3つ以内の複数回答、全産業計)は、「仕入商品又は原材料価格の値上がり」が前回調査比1.6ポイント増加し、54.8%でトップ。以下「人材不足」(51.1%)、「賃金の上昇」(41.6%)となった。
回答企業からは、「原料費の高騰によるコスト上昇が経営面に大きく影響している。」(食料品製造業)、「原材料や人件費が高騰している。働き方改革及び人材不足による時間外労働や休日労働対応に苦慮している。」(運輸業)、「原材料、人件費とも急増しており、商品の値上げなどで売上確保をしている。」(サービス業)などのコメントが寄せられた。



(2026.3.18 永山 真)