「東証一部上場企業」という表現は長く用いられ、皆さんも馴染みがあるかと思いますが、2022年4月4日から、現在の東京証券取引所の市場区分がプライム市場、スタンダード市場、グロース市場という3つの新たな区分に再編されます。
その背景には、①各市場区分のコンセプトが曖昧で分かりにくいこと、②市場区分が持続的な企業価値向上の動機づけに必ずしも結び付いていないこと、③市場代表性と投資対象としての機能を兼ね備えた市場指数が存在しないこと、などが挙げられます。
新しい区分は次の通りです。
この3つの区分は、コンセプトの異なる市場が並列している関係にあり、それぞれの市場観に上下関係はありませんが、コンセプトに応じて、流動性やガバナンスに関する基準が個別に定められており、上場企業はそれらの基準を満たす必要があります。
九州各県に本社を置く上場企業数をみると、福岡県が85社と最多。以下、鹿児島県が9社、大分県が8社、熊本県と宮崎県が5社となっており、長崎県内に本社を置く上場企業はありません。そのため、今後、県内企業のなかで上場する企業が現れることが期待されます。
今後、上場企業1社1社が企業価値を向上させることによって、市場全体の魅力が高まり、国内外の幅広い投資家層の資金が流入し市場全体が活性化していくことが期待されます。