~第 25 回長崎サミット開催~
長崎都市経営戦略推進会議
2023 年 2 月 1 日、長崎の地域経済活性化について産官学 7 団体のトップが意見を交わす「第 25 回長崎サミット」を長崎市内で開催しました。
【メンバー】
長崎商工会議所 森 拓二郎 会頭
長崎経済同友会 東 晋 代表幹事 (代理出席)鈴木 茂之 副代表幹事
長崎県経営者協会 石瀬 史朗 会長
長崎青年会議所 山口 知宏 理事長
長崎県 大石 賢吾 知事
長崎市 田上 富久 市長
長崎大学 河野 茂 学長
【進行役】
日本銀行長崎支店 鴛海 健起 支店長
今回は、前回の長崎サミットで合意された事項の進捗状況を確認した後、「これからの長崎を担う『人』について考える」をテーマに、将来目線から「人財」について自由討議を行いました。
人材でなく、「人財」という表現には、人こそが地域の経済社会の価値を支える存在であり、長崎が人を大事にする地域として、人に選ばれる地域でありたいという思いを込めています。
討議の中では以下のような発言がありました。
【長崎商工会議所】
“ 慢性的な人手不足 ” という状況は、ある意味、自社の事業のありようを見直す、いわば変革を促すための機会であり、業務を棚卸して『不要な業務を廃止』できないか、『人財のポートフォリオ(資産構成)を再構築』する必要があるのではないか。
【長崎県経営者協会】
経営者の方々と働く方々との間で、“ こうしたいんだ ” という夢なり、目標がなかなか議論・共有できていない。
【長崎青年会議所】
DX による新しい働き方や、ダイバーシティを重視し妊娠中や子育て中の女性を理事に登用するなど、これからチャレンジしていく。
【長崎経済同友会】
いわゆる就社意識──会社に就職するという意識は大分薄れており、仕事を選ぶようになっているのではないか。若い人たちがどういったことを考えて仕事を選んでいるのか、なぜ長崎に残ってくれないのか、その辺は実際の意見を聞かないといけない。
【長崎県】
若い人たちが、県内の企業が何をしているのか知らないとか、県内にもチャンスがあるのに何となく外に出ていっており、そういったことは非常に残念なことであるため、企業による様々な努力や、官学でのしっかりした連携など、いろんなところで魅力を作っていき、それをしっかり発信していくことが大切。
【長崎市】
若い世代の皆さんの中には “ 自分というアプリ ” がサクサク動ける、作動できる OS(基盤)をもつ企業やまちを求めており、まちも、企業も、社会全体も、今の時代は、全てが “OS を書き換える時期 ”にきているのではないか。
【長崎大学】
若年層人口の減少ということで、本当に大学自体が直撃を受けております。やはり大学が生き残ろうとみんな思っており、そのためには得意なもの魅力のあるものを作らないといけない。
最後に「次回以降の長崎サミットプロジェクトへの橋渡し」として、進行役によるまとめがありました。
<分野別・時系列の討議のポイント>
①本日の討議内容を踏まえ、大きな方向性と「産官学+金情」の役割分担を検討し、具体策へ
・ 将来を見据えた長崎の方向性やベクトルを共有。キーは「若者」、「チャレンジ」、「デジタル」、「長崎らしさ」
・分散的に取り組みを進めるより、力を合わせていく
・各主体が「自分事」として、地域のために果たすべき役割・責任を考え、具体的なアクションに踏み出していく(不確実な時代、「一歩踏み出すと次の一歩がみえてくる」)
②多様な世代の声を大事にするサミットへのアップデート
・これからを担う世代の思いや希望を踏まえた将来目線の取り組みへ
討議後の記者会見では、昨年 8 月の前回サミットで出た長崎大学 3 学部移転の進捗状況として長崎市常盤町の県有地「県営駐車場」に移転する構想が示されたことについて質問がありました。
移転先の候補地を選んだ理由については、長崎市の陸と海の玄関口に近く、企業とのつながりを考えた時、魅力的な場所であるとの説明がありました。
また、「さまざまな機能をコンパクトに集めようとする(長崎市の)まちづくりの方向性と合致しており、プラスの影響を及ぼすのは間違いない、まち全体の中で効果を大きくしていく発想が大事だ」という意見や、「若者があふれて活気づくような効果が街でみられるといい」といった期待の意見、「どのように大学と連携し、学びの場を築けるかを協議する必要がある」という前向きな意見がありました。
(2023.3.27 寳珠 真一)