11月21日・22日の2日間にわたって、九州の経済団体である九州経済フォーラム主催の「地域間交流懇談会in長崎」が開催されました。このうち11月21日には、長崎県の大石賢吾知事や株式会社ジャパネットホールディングスの髙田旭人社長兼CEOといった長崎県の自治体や経済界をリードする方々が登壇されました。
まず開会にあたり、主催者である九州経済フォーラムの石原進会長から、九州各県の経済界および自治体等の人材の交流促進を図り、九州経済の活性化を促進する目的で本フォーラムが開催された旨の挨拶がありました。
オープニングスピーチは、大石賢吾知事。「変わる長崎~100年に1度の変革~」をテーマに長崎県を取り巻くまちの佇まいや産業・医療の変革を柱とした説明があり、長崎空港の24時間化体制への整備や世界トップレベルのワクチン研究開発拠点についても言及されました。
次に、基調講演として九州旅客鉄道株式会社の古宮洋二社長が「新幹線が“九州”を変える」と題して、九州新幹線鹿児島ルート開通の事例を基に、西九州新幹線開通に伴う利便性の向上や交流人口・定流人口の増加等の経済効果について講演されました。西九州新幹線の開業を機に「長崎駅周辺だけでなく、浜町アーケードなどの繁華街にも人を呼び込んでいく取組みが大事」と述べられていたのが印象的でした。
基調講演の2つ目として、株式会社ジャパネットホールディングスの髙田旭人社長兼CEOが「民間主導の地域創生へのチャレンジ」をテーマに、長崎スタジアムシティプロジェクトの概要や地域創生に向けたクルーズ事業、グルメ定期便といった各種事業の展開等について説明されました。
最後に、「ながさきBLUEエコノミー」をテーマに長崎大学の研究者と地場水産養殖業者によるパネルディスカッションが実施され、とる漁業から育てる漁業に転換していくなかで、養殖技術が向上し、販路開拓が進んでいることが紹介されました。特に、養殖業者の方々が「ネット販売のおかげで初めて消費者の声が聞けた」と発言されていたのが印象的でした。
フォーラムに参加して、西九州新幹線の開通を契機とする長崎駅前の再開発や地域創生のプロジェクトなど、長崎のまちの佇まいや産業構造の変革が進んでいることに理解が深まり、未来の長崎の姿をイメージすることが出来ました。そして、これらの変革により長崎が発展するためには、これからも長崎に関わる多くの人々が知恵を出し合っていくことが大切なのだと改めて認識しました。
(2022.12.05 井上 翼)