景気全体の現状を知ったり、将来の動向を予測したりするときに使われる経済指標に、景気動向指数があります。この指数は、数カ月先の景気の動きを示す先行指数、景気の現状を示す一致指数、半年から1年遅れで反応する遅行指数と3つの指数に大別され、産業、金融、労働など景気に敏感な28種類の指標をもとに算出されています。
指数には、変化の方向性を捉えるDI(diffusion indexes:ディフュージョン・インデックス)と、変化の大きさを捉えるCI(composite indexesコンポジット・インデックス)の2種類があり、両者を合わせて利用すると景気の動向をより正確に把握することができます。
DI(diffusion indexes:ディフュージョン・インデックス)・・・景気が「上向き」か「下向き」かという景気の方向性を把握するための指標 |
採用された指標について、3か月前に比べて増加した(変化なしも)指数の割合(%)を示します。月々の振れがありますが、DI一致指数は、景気が上向いている時は50%を上回り、逆に下向いている時は50%を下回る傾向があります。
なお、景気が上向いていることや下向くことの速さを示すものではないことに注意が必要です。
CI(composite indexesコンポジット・インデックス)・・・景気の山の高さや谷の深さといった景気変動の大きさやテンポなどの量的な動きを把握するための指標 |
DIと同じ指標を使い指数を算出します。CIが上昇しているときは、景気が良くなっている、低下しているときは景気が悪くなっていることを表します。
基準となる年を100として、100からのプラスマイナスで景気の動向を測ります。
また、CIは一目で景気動向がわかり、国際標準として使用されています。
2022年1月11日、内閣府が公表した21年11月の景気動向指数(CI)(速報値)は、一致指数が93.6(前月比3.8ポイント上昇)となり2カ月連続の上昇となりました。この上昇幅は1985年1月以降で2番目の大きさでした。
内閣府は、同指数を基に機械的に作成する景気の基調判断を「足踏みを示している」に据え置きました。