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長崎経済研究所

長崎県内における外国人材活用の現状とニーズ調査

 長崎県内企業の間で、人手不足への対応は大きな経営課題となっている。そうしたなか、外国人材の雇用・受入れは、地域企業にとってどこまで現実的な選択肢となっているのか。株式会社長崎経済研究所、たにがわグローバル協同組合、株式会社十八親和銀行が共同で実施したアンケート調査から、県内企業の受け止めと今後の課題を探った。

調査名 : 外国人材活用の現状とニーズに関する調査

共同調査機関 : 株式会社長崎経済研究所・たにがわグローバル協同組合・株式会社十八親和銀行

調査期間 : 2026年6月8日(月)〜7月17日(金)

調査方法 : 長崎県内企業訪問およびwebによるアンケート

有効回答数 : 92社

 県内企業の雇用状況を見ると、「人員が不足している」と回答した企業は55.4%と過半数を占め、人手不足の課題を抱える企業が多い現状がうかがえる。一方、「適正な人員数である」とする回答も38.0%あり、雇用状況については企業間で差が見られた。

 こうした中、外国人材の雇用・受入れ状況をみると、「現在、雇用・受入れしている」と回答した企業は32.6%である一方、「雇用・受入れしたことがない」が62.0%と全体の約6割を占めた。人手不足が広がる中でも、外国人材の活用はまだ一部の企業にとどまっているようだ。

 今後の受入れ意向では、「雇用・受入れしたい(継続を含む)」と「検討中」を合わせると30.4%となり、約3割の企業は外国人材の活用に前向きな姿勢を示している。一方で、「受入れの予定がない」とする企業が55.4%と最も多く、「わからない」も14.1%存在した。人口減少に伴う人手不足の進行が懸念されるなか、人材確保策の一つとして外国人材の活用がどのように浸透していくかが注目される。

【考察】統計データから見る外国人雇用事業所数の状況(長崎県)

 厚生労働省の最新データ2025年10月末現在では、長崎県における外国人雇用事業所数は2,338所で、ここ数年は毎年10%を超える伸び率で増加している。一方、事業所全数を最新の2021年経済センサスから引用し(民営事業所数)、参考指標として「外国人雇用事業所比率」を求めてみると、全国7.2%に対して長崎県は4.0%となる。つまり、外国人を雇用している長崎県内の事業所数自体は増加傾向にあるものの、事業所全体に占める割合は、未だに全国の5割程度にとどまっている(4.0/7.2=55.6%)という構図になる。この参考指標を鑑みた場合、本レポートに記載している通り、今後、外国人材受入れの環境が整備・充実すれば、長崎県内において外国人材を受け入れる裾野が広がる余地は相応にあるものと考察する。

 外国人材を現在雇用・受入れしていない企業に理由を尋ねたところ、「日本語でのコミュニケーションが不安」が53.2%で最も多く、「日本人従業員だけで人手が足りている」「研修や教育に手間がかかる」が続いた。

 この結果から、外国人材そのものに対する否定的な意識というよりも、受入れ後の職場運営への不安が受入れをためらう要因となっていることがうかがえる。特に日本語によるコミュニケーションや教育・指導体制への懸念は多くの企業に共通しており、外国人材の受入れを広げるためには、採用制度の周知だけではなく、企業が安心して受け入れられる環境づくりが求められる。

 現在、外国人材を受け入れている企業を業種別にみると、「製造業」が14社と最も多く、「農業、林業、漁業(8社)」、「宿泊業(7社)」が続いた。国籍別では、ベトナムや中国、インドネシアが上位であった。

 外国人材を受け入れた企業にその効果を尋ねたところ、「仕事に前向きに取り組んでいる」「安定して人員が確保できるようになった」「勤勉である」がいずれも半数以上となった。外国人材は単なる人手不足を補う存在ではなく、企業活動を支える重要な戦力として評価されている様子がうかがえる。

 一方で、苦労した点として最も多かったのは「仕事以外の生活に関するサポート」であり、「日本語でのコミュニケーションが困難」や「生活習慣、文化、宗教の違い」が続いた。住居についても、約半数の企業が社宅や社員寮を提供しており、企業は雇用だけでなく生活面まで幅広く支援している実態が見られた(※住居支援に関する個別設問結果グラフは割愛)。

 このことは、外国人材の定着には企業の努力だけでなく、地域社会を含めた受入れ環境の充実が重要であることを示している。また、企業単独では対応が難しい生活支援や文化交流等の機会創出については、行政や関係機関による支援の役割が今後一層大きくなると考えられる。

 今後3年程度の受入れ意向を見ると、国籍別ではインドネシア、ベトナム、ネパールへの関心が高かった。ただし、多くの企業が「雇用したいが人数は未定」と回答しており、受入れ意欲はあるものの、具体的な計画はこれからという企業が多い。

 行政や支援団体に期待する支援では、「助成金・補助金の情報提供」が最も多く、「外国人材受入れに関するノウハウの提供」や「住宅確保に関する支援」が続いた。これらの結果からは、企業が求めているのは単なる人材紹介ではなく、受入れから定着までを見据えた実務的な支援であることが読み取れる。

 本調査では、人手不足を背景に外国人材への関心は高まっているものの、受け入れていない企業では日本語や教育体制への不安が大きいことが明らかとなった。一方、既に受け入れている企業では、外国人材を重要な戦力として評価する声が多く、企業間には受入れ経験の有無によって受け止め方の違いがみられる。

 今後は、受入れを希望する企業を増やすことだけでなく、受入れ企業の定着支援や地域で安心して生活できる環境づくりを進めることが重要となってきそうだ。外国人材が長崎県で継続して働き、地域社会の一員として活躍できる環境を整備していくことは、人口減少が進む本県において地域経済の持続性を高める上でも重要なテーマといえよう。

(2026.8.21 村田 聡)

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