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長崎経済研究所

景況感、緩やかな回復基調も先行きは弱含み

~第142回 県内企業景況調査~

 当研究所では、県内の景気動向を探るため四半期毎に県内企業景況調査を行っています。このほど、2025 年11月に実施した調査結果を以下のとおりまとめました。
 ご多用のなかご回答頂きました皆様に厚くお礼申し上げます。

【調査要領】

1.調査目的:県内企業の業況と経営動向の把握および県内景況判断資料の作成
2.調査対象:県内主要企業367社(回答企業数220社、回答率60.0%)
3.調査方法:WEB と郵送を併用
4.調査期間:2025年11月4日~11月28日
5.調査対象期間:2025 年7~9月期 実   績(前年同期比)
         2025 年10~12月期 実績見込み(前年同期比)
         2026 年1~3月期 見 通 し(前年同期比)
6.調査事項
 (1)業況判断     (2)売上高   (3)受注残高    (4)在庫水準
 (5)操業度・稼働率  (6)雇用人員  (7)販売価格    (8)仕入価格
 (9)採算(経常利益) (10)資金繰り  (11)経営上の問題点

7.回答企業属性

概況

〇全産業の業況判断BSIをみると、「ながさきピース文化祭2025」の開催に伴う観光客増の期待などから、2025年7~9月期実績の△5から足もと10~12月期(実績見込み)は△2と持ち直した。もっとも先行き2026年1~3月期は、最低賃金上昇や中国問題などの影響懸念などから△8と悪化する見通し。県内企業の景況感は、緩やかな回復基調ながら、先行きは弱含む見通し。

〇経営上の問題点(3つ以内の複数回答、全産業計)は、「仕入商品又は原材料価格の値上がり」が53.2%でトップ。これに「人材不足」(51.4%)と「賃金の上昇」(41.7%)が続き、いずれも前回調査(2025年8月)比増加している。

1.業況判断

 全産業の業況判断BSIをみると、「ながさきピース文化祭2025」の開催に伴う観光客増の期待などから、2025年7~9月期実績の△8から足もと10~12月期(実績見込み)は△2と持ち直した。もっとも先行き2026年1~3月期は、最低賃金上昇や中国問題などの影響懸念などから△8と悪化する見通し。県内企業の景況感は、緩やかな回復基調ながら、先行きは弱含む見通し。

(1)製造業

 製造業の業況判断BSIは、受注環境の安定などにより、25年7~9月期実績0から、足もと10~12月期はプラス20となる見込み。一方、先行き26年1~3月期は、原材料やエネルギー価格の高騰、人件費の増加への懸念などからプラス7へ低下する見通し。

 このうち一般機械は、堅調な受注環境を受け、25年7~9期の△10から、足もと10~12月期はプラス10と大幅に上昇した。もっとも、原材料価格等の上昇懸念に加え、深刻な人材不足から先行き26年1~3月期は、再び△10となる見通し。食料品は、25年7~9月期の0から、コスト上昇分の販売価格転嫁や生産性改善などにより、足もと10~12月期はプラス43と大幅に上昇する見込み。しかしながら、先行き26年1~3月期は最低賃金の上昇などから、プラス29とプラス圏ながら低下する見通し。

(2)非製造業

 非製造業の業況判断BSIは、25年7~9月期実績△7から足もと10~12月期は△9と低下見込みとなり、先行き26年1~3月期も△13と、厳しい収益環境が続く見通し。

 このうち、運輸業は25年7~9月期実績△9から、足もと10~12月期△6、先行き26年1~3月期△16の見通しと、燃料価格の高止まりや最低賃金の上昇などによりマイナスが続く。また、サービス業も、25年7~9月期の△3から足もと10~12月期が0、先行き26年1~3月期△10の見通しと、人材不足や最低賃金の上昇などからBSIは低調に推移している。

2.雇用人員、仕入・販売価格、採算

 全産業の雇用人員のBSIをみると、足もと25年10~12月期の見込みが△46、先行き26年1~3月期の見通しも△44と、大幅マイナス(人員不足)が続く。

 全産業の仕入価格のBSIは、資材・原材料費の高騰から、25年7~9月期実績、足もと10~12月期ともにプラス47、先行き26年1~3月期プラス46と高止まり。一方、全産業の販売価格のBSIは、仕入価格の価格転嫁の動きが鈍く、25年7~9月期実績プラス25から、足もと10~12月期プラス26、先行き26年1~3月期プラス25と横這いが続く見通し。全産業の採算BSIは、足もと(25年10~12月期△15見込み)、先行き(26年1~3月期△18見通し)ともに厳しい収益環境が続く。これを業種別に見ると、製造業は、好調な受注環境などから、25年7~9月期の実績△20から、足もと10~12月期、先行き26年1~3月期ともにプラス2と大きく回復する見通し。一方、非製造業(実績△20、足もと△20、先行き△24)は厳しい収益環境が続く。

3.経営上の問題点

 経営上の問題点(3つ以内の複数回答、全産業計)は、「仕入商品又は原材料価格の値上がり」が53.2%でトップ。以下「人材不足」(51.4%)と「賃金の上昇」(41.7%)。うち、「賃金の上昇」は前回調査比6.0ポイント増加した。

 回答企業からは、「原材料、資材、エネルギー価格の上昇に加え、最低賃金の上昇により人件費も大幅に増えており収益の低下要因となっている」(食料品製造業)、「燃料費の高騰や最低賃金の上昇に対し運賃が上がらない。」(運輸業)、「労働力不足による業務負担の増加が慢性化している。人材確保などの観点から賃上げは実施しているが、先行き不透明の中での賃上げ実施は課題である。」(サービス業)などのコメントが寄せられた。

(2025.12.16 永山 真)

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