8月29日(金)、九州新幹線西九州ルート整備推進協議会主催による九州新幹線西九州ルートの全線フル規格整備に向けたシンポジウムが福岡市内で開催されました。県外で同ルート整備促進のシンポジウムが開かれるのは初めてで、長崎県内外の経済関係者他約800人が参加するなど大変盛況なシンポジウムとなりました。
開会冒頭のあいさつでは、同推進協議会の森拓二郎会長が「西九州ルートの本来の姿は、関西方面への直通運行によって全国の新幹線ネットワークと接続されることである」「全線開業は北部九州経済圏の発展のために必要で、実現には地域全体の支援が不可欠」と語り、続いて大石賢吾長崎県知事から「私自身が先頭に立ってフル規格開業を1日も早く実現できるよう注力したい」との力強い決意が表明されました。また、京都大学の中川大名誉教授が講演し、新幹線開業に伴う都市全体のまちづくりや、地域経済振興への貢献などについて解説がありました。
後半に開かれた有識者によるパネルディスカッションでは、九州新幹線鹿児島ルートや北陸新幹線を例に挙げながら、新幹線が地方にもたらす経済効果について「観光」と「産業振興」をテーマに活発な意見が交わされました。
シンポジウム全体を通じて、新幹線が持つ地方の経済活性化に対するポテンシャルを再確認することができました。また、パネルディスカッションにおける「新幹線開業それ自体が街のにぎわいを呼ぶ訳ではない。地域の経済界およびそこに暮らす我々住民を含むすべての人が、新幹線開業を地元経済の発展について真剣に考える“良いきっかけ”とすべきだ」との意見は大変印象的で、私自身も「我が街の発展を支える当事者であるべき」との気づきを得る有意義な機会となりました。
(2025.9.9 村田 聡)